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トラフが浅まる?(主語と述語の関係) [傾向と対策]

「低気圧」「トラフ」などのじょう乱を主語にして文章を組み立てる場合、その主語を受ける述語はどうなるのか。気象表現では一般には使われない独特な表現が用いられることがあります。

試験では特殊な出題例はありませんが、「トラフが浅まる」というのは一般的な用法とは異なります(普通は「浅くなる」と言いますよね)。

ほぼ毎回「問1」で出題される実況把握では時折、述語を穴埋めさせる問題が出題されます。筆記問題でも、じょう乱の消長について記述する問題ではこうした述語を用いて解答することになります。

そこで第40回以降の実技試験で出題された中からじょう乱が主語になっている文章を取り上げ、述語別にまとめてみました。あまり神経質になる必要はありませんが、ざっと眺めて慣れておきたいものです。

低気圧

存在・状態を表す述語


ある 
関東の東海上には中心気圧990hPaの発達中の低気圧ある

位置する 
低気圧はトラフの東側に位置する
低気圧は強風軸の北側に位置している。

存在する 
この低気圧は、アムール川下流にある寒冷渦の南東象限に存在している。

発生する
36時間後には、津軽海峡付近に新たに低気圧発生する

離れている 
低気圧は強風軸から南側に離れている

他のじょう乱などとの関係を示す述語


対応する
黄海の低気圧は寒帯前線のジェット気流に対応している

結びつく
この低気圧は、初期時刻から24時間後にかけて西側から接近する500hPa面の低気圧と結びついて急速に発達する。

移動を表す述語


入る
低気圧がトラフの前面の強い正渦度移流域に入る

進む
初期時刻に四国沖にある低気圧が、深まりながら東北東へ進む
九州の南岸にあった低気圧は24時間後から36時間後にかけて北に進む

東進する
4日には発達した低気圧がオホーツク海をゆっくりと東進する予想となっている。

盛衰を表す述語


発達する
この低気圧は、初期時刻から24時間後にかけて西側から接近する500hPa面の低気圧と結びついて急速に発達する
低気圧はトラフの接近により緩やかに発達する
今後24時間以内に低気圧が発達する可能性を述べよ。

閉塞する
このような特徴はこの低気圧閉塞した構造を持っていることを示している。
日本海北部の低気圧閉塞し始めていることを示している。

衰弱する
その後は500hPa面の低気圧と重なって急速に衰弱しながら東進する。

高気圧

存在・状態を表す述語


ある
オホーツク海南部には1026hPaの高気圧ある

盛衰を表す述語


形成する
北部に高気圧が形成される。

弱まる
北部の高気圧弱まる

張り出す
大陸の優勢な高気圧張り出し,気圧傾度が大きい。

気圧

存在・状態を表す述語


示す
気圧が極小を示す

強弱を表す述語


高い
この台風に伴う閉じた等圧線のうち気圧が最も高いのは〇〇hPaの等圧線である。

上昇する
気圧は約1.2hPa上昇した

低下する
12時間後から24時間後にかけて中心の気圧が急速に低下する

下降する
気圧が0.1hPa下降している。

下がる
気圧は3時間で2.3hPa下がっている。

低い
中心気圧がより低い

トラフ

存在・状態を表す述語


ある
500hPa天気図では、日本海西部にトラフある

強弱を表す述語


深まる
トラフ深まりながら後ろから接近し、この低気圧と結びつく。

浅まる
トラフ浅まりながら速い速度で東進する。

他のじょう乱などとの関係を示す述語


結びつく
トラフは深まりながら後ろから接近し、この低気圧と結びつく

移動を示す述語


近づく
トラフが低気圧の西側から近づき、低気圧と結びつく。

接近する
トラフは低気圧の西側から接近する

進む
500hPaのトラフは、48時間後には図9に示す位置まで進むと予想される。

通過する
16日午後には、寒気を伴った500hPaトラフが関東地方を通過すると予想されている。

追い越す
トラフは低気圧を追い越す

東進する
トラフは浅まりながら速い速度で東進する

気圧の谷

存在・状態を表す述語


なる
初期時刻に南西諸島にある気圧の谷が低気圧となり、深まりながら前線上を東北東へ進む。

強弱を表す述語


深まる
気圧の谷深まりながら東北東進する。

移動を示す述語


東北東進する
気圧の谷が深まりながら東北東進する


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レーダー・エコーの見方 [試験対策]

レーダーエコーは降水強度分布の観測値を画像化したものです。

日常生活では「西の方に強いエコーがあるから、あとしばらくしたらうちのエリアでも雨が降りそうだな」というレベルでも役に立ちますが、気象解析をする上では不十分です。

レーダーエコーを単体で見るのではなく、ほかの天気図と突き合わせて総合的に解釈することで、気象解析の実力を向上させることができます。

今回のポイント

レーダーエコーの読み方のポイントは次の通りです。

①エコーの全体像を把握する
②降水強度の強い場所を確認する
③エコーの形状を確認する
④エコーの時間変化を確認する
⑤衛星画像と見比べる
⑥エコー発生の原因を推測する


事前準備

レーダーエコーと合わせて、その他にも必要となる実況資料を用意します。

・アジア太平洋地上天気図(ASAS)
・衛星画像(IR, VIS) ※IR(InfraRed:赤外)、VIS(Visible:可視)
・極東500hPa・700hPa天気図(AXFE578)
・850hPa相当温位図(FXJP854)

これらを突合して、総合的に降水の原因を総合的に推測します。

①レーダーエコーの見方

エコーの全体像を把握する


いきなり気になる場所から見るのではなく、最初にエコーの全体を見ることから始めます(日常生活の使い方とはスタートから異なりますね!)。

広い範囲から始めて徐々に絞り込んでいくという手順は、天気図を見るときだけでなく、レーダーエコーでも同様です。

エコーがベッタリと広い範囲に出ているのか、狭い範囲で出ているのか、これだけでもエコーの発生原因を推測する重要なヒントになります。

また、全体に一様な層状性(青色の)エコーなのか、強弱(青、黄、赤が入り混ざった)エコーなのかも確認します。

合わせて、エコーと気圧系(低気圧、前線など)との相対的な位置関係も考えます。

「相対的な位置関係」とは、「低気圧の中心の北側」とか「停滞前線の北側」のようなことです。このためには地上天気図が必要となります。

②降水強度の強い場所を確認する


次に降水強度の強い部分に着目します。

レーダーエコーには降水強度に応じて寒色系(青っぽい色)から暖色系(赤っぽい色)まで色付けされています。降水強度が強いのは暖色系の部分です。

エコーがかかっている部分に、降水強度を強める地形性の特徴がないかに注目します。

山岳地帯では大気が強制上昇することで降水が強化されます。典型例として九州山地の東側、四国山地の南側、紀伊半島の南東側があります。

参考に日本の主な山地を図に示しておきます。

mountains.png

③エコーの形状を確認する


エコーの形状(線状、コンマ状、団塊状など)と走向を確認します。

エコーの形状は、降水の発生原因に結びつく重要な手がかりです。

例えば、線状であれば積乱雲が次々に発生していることを示唆します。コンマ状であれば、その中心に低気圧の中心が存在する可能性があります。

特徴的なものは、後で衛星画像で確認をします。

④エコーの時間変化を確認する


レーダーエコーの動画を使って、エコーが動かずに停滞しているのか、あるいは動いている場合はどの方向に動いているのか。形状や範囲の変化はあるのかを確認します。

気象庁ホームページでは、3時間前から5分おきの画像をコマ送りで見ることができます。

⑤衛星画像と見比べる


降水がある場所の上空には必ず雲があります。エコーを雲画像と対照させることで、雲の種別を確認することができます。

⑥エコー発生の原因を推測する


レーダーエコー単独で原因を判断せずに、高層天気図で鉛直流、渦度、風の場、気温の場との関係から、エコーが発生した原因を推測します。

例えば、地上低気圧の中心の北側と温暖前線の北側にベッタリとエコーが出ている場合、700hPaで上昇流があり、500hPaで渦度が確認でき、暖気移流・寒気移流があれば、これは間違いなく温帯低気圧に伴う降雨だと判断できます。

【事例】下層の暖湿気によるエコー

2018年6月29日、九州、四国地方で非常に激しい雨が降りました。

11時のレーダーエコーがこちらです。

全国エコー1100.png

これより2時間前、9時の速報天気図はこちらです。

スクリーンショット 2018-06-29 13.59.29.png

梅雨前線が北日本から日本海を通り、華中にのびています。

太平洋高気圧が西へ勢力を強め、前線との間で気圧傾度力が強まっています。

沖縄の南には台風が発生し西へ進んでいます。

この日、関東甲信地方では梅雨明けが発表されました。

①全体の分布状況は?


エコーは沖縄地方および西日本から日本海中部に広がっています。また北海道の太平洋側東部と日本海側にもエコーが見られます。

地上天気図と見比べると、エコーは北海道を除いてはおおむね梅雨前線の南側に見られます。

②降水強度の強い場所


その中でも暖色系で示された降水強度が強いのは、福岡、四国および中国地方です。

九州地方北部:
九州北部地方エコー.png

四国地方:
四国地方エコー.png

高知県の降水強度の強いエコーは、四国山地で強化されていると考えられます。

一方で、北海道では降水強度の弱いエコーが見られます。

③エコーの形状


福岡、四国および中国地方の降水強度の強い部分を見ると、4〜5本の並行な線状エコーを確認することができます。

その走向は南南西から北北東に向かっています。

④エコーの時間変化


3時間にわたる推移を見ると、エコーは全体としては北東に進んでいるものの、四国では非常に激しい雨が降り続いています。

12時:
全国エコー1200.png

13時:
全国エコー1300.png

14時:
全国エコー1400.png

⑤衛星画像


10時50分の衛星画像です。

赤外画像(IR)。

赤外.png

東シナ海から西日本にかけて、とても白い雲が出ているので、雲頂高度が高いことが分かります。

可視画像(VIS)。

可視画像.png

南西諸島から日本海にかけて、対流雲の筋が何本も見えます。
強いエコーはこの対流性の雲による降水と考えられます。

⑥エコーの発生原因


850hPa相当温位図を見てみます。

相当温位.png

342Kの相当温位線(緑色)に着目すると、西日本のほぼ全域をカバーしています。西日本は非常に相当温位の高い暖湿気が40ktの南南西〜南西の風で流入しています。これは線状降水帯の形状とも一致します。

850hPa気温・風と700hPa鉛直流の天気図(ここでは省略)には、九州南部および四国で鉛直流の極値(ー38)があります。

これが非常に激しい雨の直接の原因と思われます。

梅雨前線による雨では400〜500km程度の幅を持った一様な降水帯となります。
北海道の降水は梅雨前線によるものと思われます。

一方で、西日本の強い降雨は北に張り出している太平洋高気圧の縁辺流と、台風がもたらした暖湿気が停滞前線に流入したものです。

梅雨期には前線の北側に降水帯が広がりますが、梅雨末期には南側で今回のような激しい雨となることがあります。

さいごに

気象予報士試験では、冒頭に紹介した6つの解析ステップの一部を問われることがあります。

レーダーエコーは気象庁のホームページで「レーダー・ナウキャスト」として見ることができますが、3時間経過すると削除されてしまいます。特異な気象現象が発生したら、普段から学習素材を集めておくことをお勧めします。

低気圧や台風などが現れたときには、その時のレーダーエコーと衛星画像(IR, VIS)を保存しておくと、後の学習に役立ちます。

画像取得時にはできるだけ時刻を朝9時、あるいは夜9時に行うと、高層天気図とも合わせやすくなります。

【リンク】
レーダー・ナウキャスト http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/
気象衛星画像 http://www.jma.go.jp/jp/gms/
高層天気図 http://www.hbc.co.jp/weather/pro-weather.html


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試験に出る地名 [試験対策]

(初稿)2018.7.15
(改版)2020.1.5
はじめに

実技試験では毎回、「気象概況と総観場」に関する問題が最初に出題されます。

これは「実況把握」と言われるもので、地上天気図、高層天気図、衛星画像などの実況図を用いて、現在の状況を理解することです。中でも大事なのは、気圧系(低気圧、高気圧)や前線の位置を確認することです。

位置を特定するときには、気象解析で特有の地名表現を用いるので、それに慣れておくことは試験対策上のみならず、将来のことを考えても大切です。

そこで過去の試験に出題された島嶼、山地、半島・岬など、地名の一切をまとめてみました。

地理的・政治的な呼称とは差分があるので、あくまでも気象解析上の呼称と割り切りましょう。目的は気圧系のおおよその位置を表現することなので、厳密さは必要ありません。


諸島、半島・岬

日本の島


日本の全体地図で島を見ると点々になってしまって、なかなか覚えにくいものです。

日本の島を①伊豆諸島、②小笠原諸島、③南西諸島、の3つに分けて覚えましょう。

その上でポイントは次の2つです。

・諸島を構成する代表的な島の名前を覚える
・諸島が緯度・経度のどのマス目に位置するのかを覚える(代表的な島以外の位置は気にしない)


諸島.png


上図では緯度線、経度線を5度おきに引いてあるので注意してください。

以下で大文字にしてある八丈島、父島、南西諸島、奄美大島、沖縄は過去に出題されているので、場所をしっかりと覚えてください。

①伊豆諸島

伊豆諸島を代表する島は八丈島です。

場所は房総半島の南、東経140度線にほぼ沿って、緯度的には四国の南端と同じぐらいまで広がっています。

②小笠原諸島

小笠原諸島を代表する島は父島です。

小笠原諸島は図で示した範囲よりも実際には広いのですが、父島の場所を覚えましょう。

父島はおよそ「東経142度、北緯27度」です。
伊豆諸島よりは東側で、緯度的には台湾の北端より少し上です。

③南西諸島

南西諸島は複数の諸島などから構成されています。
大島諸島、トカラ列島、奄美群島沖縄諸島、宮古列島、八重山列島、大東諸島、尖閣諸島。

なお、「八重山諸島」「宮古列島」「尖閣諸島」をまとめて「先島(さきしま)諸島」と総称します。

南西諸島は九州の南端から台湾にかけての対角線に並んでいます。中でも台湾の東に横にほぼ一直線に並んでいるのが先島諸島です。

半島と岬


半島は3方を海に囲まれて海に突出した陸地、岬は海に突き出た陸地の先端部で半島より小さいものを言います。

半島や岬は低気圧や台風が上陸してくる典型的な場所なので、試験でもよく出てきます。

半島と岬(枠).png


北海道の南端にあるブーツのような形をした渡島半島は「おしまはんとう」と読みます。


海、海流、海峡・水道、湾、海上、沖

海と海流、海峡・水道と湾


日本はオホーツク海、東シナ海、日本海、太平洋の4つの海に囲まれています。

4つの海には冷たい寒流の千島海流(親潮)とリマン海流、暖かい暖流の日本海流(黒潮)と対馬海流の4つの海流が流れています。

海峡とは2方向が外の海に開き、2つの海をつなぐ狭い海を言います。
水道は海峡とほぼ同義です。

湾とは1方向だけが外の海にひらけている海を言います。

海・海峡・湾・海流(枠).png

日本海には暖流の対馬海流が流れているため、冬季にはシベリアから吹いてきた冷たい空気が気団変質を起こします。

海上


日本は四方を海に囲まれており、気圧系の位置を特定するのに「〜(の)海上」と言うことがあります。

注意)
「北海道の西海上」は「せいかいじょう」ではなく「にしかいじょう」、もしくは「にしのかいじょう」と読みます。

以下について、地図を見ながら固有表現として覚えておきましょう。

<北海道地方>
 北海道の西(の)海上
 北海道の東(の)海上
 北海道の南東(の)海上

<関東地方>
 関東の東(の)海上
 関東の南東(の)海上

<九州地方>
 九州の西(の)海上

第50回の試験では、低気圧の位置を答えさせる問題が出ました。正解は「北海道の西(の)海上」ですが、「北海道の西」(=北海道西部)では不正解です。

日本の沖


沖とは「海などで岸から遠く離れたところ」のことです。

過去の問題では、三陸沖、山陰沖、能登沖、四国沖、津軽沖が出題されたことがあります。

沖.png



なお、「短期予報解説資料」では「ウラジオストク沖」や「日本海西部元山沖」の記載もありますが、試験では出題されたことがないので割愛します。


山脈

地方気象情報に用いられる山地名として中部山岳、紀伊山地、中国山地、四国山地、九州山地があります。

中国山地、四国山地、九州山地は斜面が南に開けているため、南西風が入ると地形性強化により大雨になることがあります。

mountains.png

飛騨山脈は俗に北アルプスと呼ばれますが、気象では中部山岳地帯と呼ばれています。

また、「脊梁(せきりょう)山脈」とは、「ある地域の背骨に相当するような大山脈」(デジタル大辞泉)を表す一般的な用語です。
奥羽山脈のような特定の山脈を指すものではありませんが、一応「脊梁」という漢字を書けるようにしておきましょう。

※第49回実技2では「脊梁山脈」が出題されています。


高層気象観測点

国内にはラジオゾンデによる高層気象観測点が17ヶ所あります。これらはエマグラム関連の問題で出題されることがあります。南鳥島と昭和以外は地図上の場所を覚えましょう。

観測地点 所在地
稚内(わっかない) 北海道稚内市
札幌(さっぽろ) 北海道札幌市
釧路(くしろ) 北海道釧路市
秋田(あきた) 秋田県秋田市
輪島(わじま) 石川県輪島市
館野(たての) 茨城県つくば市
八丈島(はちじょうじま) 東京都八丈島八丈町
松江(まつえ) 島根県松江市
潮岬(しおのみさき) 和歌山県東牟婁郡串本町
福岡(ふくおか) 福岡県福岡市
鹿児島(かごしま) 鹿児島県鹿児島市
名瀬/本茶峠(なぜ/ふんちゃとうげ) 鹿児島県奄美市
石垣島(いしがきじま) 沖縄県石垣市
南大東島(みなみだいとうじま) 沖縄県島尻郡南大東村
父島(ちちじま) 東京都小笠原村
南鳥島(みなみとりしま) 東京都小笠原村
昭和(しょうわ) 南極昭和基地


高層観測地点.png

高層観測点2.png


アジアの地名など

アジア大陸にあるトラフの位置を特定することは予報では重要な作業です。日本の天気に影響を与える可能性があるためです。

しかし500hPa解析図には多くの情報が書き込まれているため、地形図を読み取ることが困難です。
緯度・経度のマス目からパッと地名を判断できるようにしたいものです。

asia (名称).png


PDF版はこちらです。アジアの地名など.pdf

気象庁の内部資料である「短期予報解説」資料では、こんな感じに使われています。

中国華北から華中の 500hPa5820m 付近のトラフはほとんど停滞。梅雨前線が黄海から日本海を通って北海道へのびて停滞。日本の東から太平洋高気圧が日本の南へ張り出している。」

トラフ、前線、高気圧の場所を示すのに地名が使われていることが分かりますね。

気象庁が用いる地名は「全般気象情報などに用いるアジア・北西太平洋域の地名、海域名」(以下、「地名・海域名」と略します)としてホームページ上で公開されています。

実際の行政区域などとは大きな差分があることは頭に入れておく必要があります。


最後に

今回のような地名(実際にはもう少し多くのものが使われます)を気象庁の人は何の躊躇もなく使っています。

「せっかく地図を使っているのだから、場所は緯度・経度で示すべきでは?」とも思いますが、ピンポイントで特定するよりは短時間でパッとおよその場所を言えることが大事なんだと思います。

すぐに覚えるのは大変なので、面倒臭からずにその都度地図で確認しながら、身体に覚えこませましょう。


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