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降雪のエッセンシャル [エッセンシャル]

日本における降雪のメカニズム

日本海側と太平洋側で雪が降るメカニズムは異なる。

日本海側の降雪
・日本海上の気団変質に伴う。
 シベリアからの乾燥した寒気→日本海の海面から顕熱と水蒸気(潜熱)を供給される→成層状態が悪くなり、対流活動が活発化する。

・山沿いで大雪になる山雪型と、海岸や平野部で大雪となる里雪型がある。

太平洋側の降雪
・低温時(地上気温が2℃以下)における南岸低気圧に伴う。

降雪の目安

強い寒気が南下すると降雪の可能性がある。その目安は次のとおり。

分類 500hPaの等温線 850hPaの等温線
大雪 −36℃ −12℃
−6℃(関東は−3℃)


雪による被害

生活への障害
「着雪害」
着雪とは湿った雪が送電線や樹木に付着すること。これにより、電線等の断線や送電鉄塔等の倒壊等の被害が発生する(気温0℃付近で発生しやすい)。

「落雪害」
落雪によって起こる災害。

「融雪害」
融雪が原因となって起こる災害。

「交通障害」
大雪が降るとふぶきや吹きだまりなどにより、視程不良・積雪・路面凍結による交通障害が発生する。

なだれ(雪崩)
・全層なだれと表層なだれがある。

※気象庁は「なだれ」とひらがな表記している。

なだれ.png
(出典)国土交通省

警報と注意報
・雪に関する警報は「暴風雪」「大雪」の2つ。
・雪に関する注意報は「風雪」「大雪」「融雪」「なだれ」「着雪」の5つ。

※着氷注意報について
「着雪」と紛らわしい現象に「着氷」がある。着氷は大気中の水蒸気が物体に昇華したり、過冷却の雲粒が物体に凍りついて発生する。
着氷注意報はほとんどが冬季の北海道で、船体着氷に対して出される。例えば函館地方の船体着氷注意報の基準は、水温が4℃以下、気温が-5℃以下、風速が8 m/s以上のときに発表される。
参考:http://www.jma-net.go.jp/aomori/koho/yuki/yuki2016_06a.pdf

降雪量など

積雪の深さ
既に降り積もった雪の深さ。

降雪の深さ
ある時間の間に新しく積もった雪の深さ。24時間で50cm以上の降雪は警報級。

■雪水比(ゆきみずひ)
・ある特定の地上気温における降水量(mm)とそれを降雪量(cm)に換算した時の値の比率。
 降雪量(cm)=降水量(mm)×雪水比(cm/mm)
・湿った雪の雪水比は0.5〜1.0程度。

理解しておきたい用語

山雪型
・気圧配置は西高東低の冬型、等圧線は南北に縦縞模様。
・上空の寒気の中心は日本海北部や北日本にある。
・筋状の雲が見られる。
・→山の風上側で積乱雲が発達する。

山雪型.png

(出典)松江地方気象台

里雪型
・等圧線が日本海で袋状。
・上空の寒気の中心は日本海の中・南部。
・→海岸沿いを中心に積乱雲が発達、もしくは日本海で発生した小低気圧が上陸して平野部を中心に大雪をもたらす。

里雪型.png

(出典)松江地方気象台

表層なだれ
先に積もっていた雪の表面に新たに積もった雪が、気温の上昇や振動などが原因で滑り落ちることで発生する。発生地点から遠く離れた場所まで襲来する恐れがある。2kmも離れた麓の集落を襲った事例あり。

全層なだれ
積雪がある山地の斜面で、気温の上昇や降水により溶けた水で滑りやすくなった地表面場を積雪層全体が滑り落ちる。春先の融雪期に多い。

JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)
冬型の気圧配置で、シベリアからの北西の風が北朝鮮と中国の国境をまたぐ長白山脈で南北に分かれ、日本海で再び合流することで雲の発達しやすいライン(収束帯)が形成されること。しばしば日本海側の大雪の要因となります。

暴風雪
暴風に雪を伴うもの。

地ふぶき
積もった雪が風のために空中に吹き上げられる現象。風が強く、地ふぶきによる視程障害や吹きだまりによる交通障害の発生する可能性がある場合には、暴風雪警報、風雪注意報を発表する。

融解層
雨雲の中で気温が0℃に近く、氷の粒が溶け始める層のこと。気象レーダー画像にはブライトバンドとして現れる。

ブライトバンド
ある一定の高度で強いエコーが現れる現象。上空から落下するゆきやあられなどの氷粒子が気温0℃の層(融解層)を通過するときに溶けた氷粒子の表面で電波が強く散乱される。


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