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擾乱の追跡(1) [練習]

地上低気圧に対応するトラフが時間経過とともにどう移動していくかを
500hPa渦度図で追いかける作業を「擾乱の追跡」と言います。

低気圧とトラフの対応は低気圧の盛衰と関わってくるので、
擾乱の追跡は大事な作業です。

試験でも繰り返し出題されています。

これについてはネット上でも練習用の素材が無限に入手できるので、
毎日練習すると良いでしょう。

以下、練習用素材の入手方法と、追跡方法をまとめてみます。

【練習用素材の入手】

①tenki.jpで日本周辺に低気圧がある日を見つける

 日本海側でも太平洋側でも、とにかく日本周辺にある目立つ低気圧を見つけましょう。

 時期的には、10月〜4月が良いです。
 夏は南北の温度傾度が小さくなるので、温帯低気圧は発生しにくくなります。
 秋は台風や停滞前線が現れます。
 結果として秋から冬が解析時期に適しています。

 解析用の低気圧を見つけるには、日本気象協会のホームページが最適です。
 過去の天気図を月別に一覧表示してくれるので、すごく見つけやすいです。

 こんな感じ。

スクリーンショット 2017-07-18 8.01.20.png
 http://www.tenki.jp/past/2017/07/?selected_type=chart

 ここでは、2017年1月8日を選んでみましょう。
 南岸低気圧ですね。


②追跡にふさわしい低気圧かチェックする
 
 気圧がそこそこ低い低気圧でないと、
 その低気圧に対応する渦度を見つけるのが困難です。

 初期時刻というのは、

 「何時を出発点として地上低気圧と渦度の対応関係の追跡を開始するか」

 という開始時刻を言います。

 擾乱追跡は初期時刻から12時間後、24時間後、36時間後ぐらいまで追っかけます。

 したがって、数日間かけて発達してくれる(気圧が下降する)低気圧を選ばないと、
 追跡できません。

 中心気圧が1,000hPa以下の低気圧なら良いのではないでしょうか。

 ①で選んだ低気圧は8日9時で1002hPaなので、だいたい良さそうです。
 
スクリーンショット 2017-07-18 8.26.54.png

 ちなみに天気図の下にあるレバーで表示時刻を選べるようになっているので、
 朝9時か夜9時を選んでください。

 その理由は入手可能な高層天気図に制約があるからです。
 詳しくは③で説明します。


③その時間を初期時刻とした500hPa渦度の12, 24, 36時間予報図を入手する

 高層天気図は気象庁や北海道放送のサイトでも入手できますが、
 過去2年分の天気図を入手できるSunnySpotのサイトが便利です。
 http://www.sunny-spot.net/chart/chart_archive.html?area=0

 高層天気図は一日に2回(日本時間の朝9時と夜9時)に作成されます。
 先ほど低気圧の選定で「朝9時か夜9時」としたのは、これが理由です。

 渦度の解析は500hPaの高度・渦度天気図で行います。
 36時間後までの解析を行うには、以下の3枚の天気図を入手しましょう。

  ・AXFE 500hPa高度・渦度
  ・FXFE502 500hPa高度・渦度 12・24時間予想
  ・FXFE504 500hPa高度・渦度 36・48時間予想
 
 渦度にマーキングしながら追跡するので、
 面倒臭がらずに天気図は印刷しましょう。
 

次回は擾乱追跡のコツについて書いてみます。


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