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指定河川洪水予報の事例 [警報・注意報]

指定河川洪水予報の発表例を紹介します。

2017年7月18日の実例です。

新潟県の一部エリアで大雨警戒情報(土砂災害・浸水害)、土砂災害警戒情報、
洪水警報、河川氾濫警戒情報が発表されて、避難指示が出されました。

報道内容

信濃毎日新聞:
新潟県五泉市と同県阿賀町は、河川氾濫の恐れがあるとして、
計535世帯1485人に避難指示を出した。

朝日新聞:
五泉市では早出川や能代川の水位が上がり、土砂災害の危険性も高まっているとして、
午前8時20分すぎ、南田中など5地区288世帯に避難指示が出た。
避難指示の地域を除く市内全域約1万8千世帯にも避難勧告が出た。

阿賀町でも阿賀野川の増水の影響で午前9時10分、
津川地区の一部地域247世帯に避難指示が出た。
このほか、新潟、長岡、三条、燕、魚沼の各市でも避難勧告が出た。

位置関係

最初に五泉市、阿賀町と阿賀野川の位置関係を確認しておきます。

スクリーンショット 2017-07-18 11.53.43.png

五泉市の北には東西方向に阿賀野川が流れ、日本海につながっています。
阿賀町は五泉市の東側です。

スクリーンショット 2017-07-18 11.59.35.png

避難指示

五泉市の避難指示をホームページとツイッターで見てみます。

スクリーンショット 2017-07-18 11.16.57.png

スクリーンショット 2017-07-18 11.22.25.png

避難指示、避難勧告は市町村長が出します。

指定河川洪水予報

指定河川洪水予報が北陸地方で発表されています。
なお、指定河川洪水予報について知りたい方は、本文の最後を見てください。

スクリーンショット 2017-07-18 11.28.35.png

北陸地方の「発表中」をクリックすると、

 氾濫警戒情報 ・・・信濃川下流(国の指定河川)・中ノ口川(県の指定河川)
 氾濫注意情報 ・・・阿賀野川(国の指定河川)

となっています。

スクリーンショット 2017-07-18 11.27.06.png

こちらは新潟県河川防災情報システムの画面です。

スクリーンショット 2017-07-18 13.27.36.png

赤いエリアをクリックすると下の画面がポップアップして、
津川で10時に避難判断水位を超えたことが分かります。

スクリーンショット 2017-07-18 13.30.32.png

土砂災害警戒情報

この時、五泉市では土砂災害警戒情報が発表されていました。

スクリーンショット 2017-07-18 11.15.57.png

土砂災害警戒情報
RP150_20170718073000_dosha.pdf

土砂災害警戒判定メッシュ情報には「極めて危険」が表示されています。

スクリーンショット 2017-07-18 11.25.34.png

天気図と衛星画像

7月18日朝9時の天気図。

スクリーンショット 2017-07-18 12.12.09.png

7月18日12時の衛星画像(雨雲が重ねてあります)。

スクリーンショット 2017-07-18 12.14.25.png

新潟県から東北にかけて積乱雲が発生し、
新潟県では激しい雨が降っていることがわかります。


(参考)指定河川洪水予報とは

気象庁HPから引用します。

河川の増水や氾濫などに対する水防活動の判断や住民の避難行動の参考となるように、
気象庁は国土交通省または都道府県の機関と共同して、あらかじめ指定した河川について、
区間を決めて水位または流量を示した洪水の予報を行っています。
これを「指定河川洪水予報」と呼んでいます。

まぁ、文字が並んでいて難しいですね。

要約すると、

 ・気象庁は、指定河川の管轄に応じて国交省、または都道府県と共同して洪水予報を出す

 ・洪水予報は水防活動の判断や住民の避難行動の参考にしてもらう
  (水防活動とは、洪水時には巡視・警戒、水防工法などを行うことです)
  
 ・予報内容には河川区間の水位または流量が示される

ということです。

これは水防法第10条、第11条で定められています。

洪水予報には4種類あり、

 氾濫注意情報<氾濫警戒情報<氾濫危険情報<氾濫発生情報

という関係です。

スクリーンショット 2017-07-18 13.21.34.png

ちなみに、気象庁が単独で行う洪水注意報や洪水警報というものもあります。
これは対象地域にある不特定の河川の増水による災害に対して発表されます。
河川を特定しないため、水位や流量の予測は行われません。

補足

(2017.10追記)
気象庁は平成29年度の出水期(梅雨の時期と思えば良いです)から大雨警報(浸水)と内水氾濫による洪水警報の基準として降水量を使用せず、その代わりに表面雨量指数が採用されることになりました。これにより大雨警報および洪水警報の基準として降水量は使われなくなりました。土壌雨量指数、流域雨量指数に次ぐ指数の採用です。

こうした気象庁の取り組みの成果の表れでしょうか、産経新聞に面白い記事が出ていました。国交省などが運用する「指定河川洪水予報」の予測精度の低さが露呈する一方で、気象庁の「洪水警報の危険度分布」は精度が高いという内容です。面白おかしく書きすぎている感じがしますが、気象庁は国交省の外局なのだからちゃんと連携して欲しいものです。


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