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試験直前を意識した準備とは? [試験対策]

実技の勉強を始めてから、常に意識していたことがあります。それは「試験直前期になったら、何をしたら良いのか?」ということです。

試験がまだ数ヶ月先の間はひたすら過去問を解いていれば良いのですが、試験が近づいてくると学習が不十分なところが気になり始めるものです。そうなるとパニックで何も手につかなくなり、不安を抱えたまま試験に突入してしまいます。精神衛生上も良いはずがなく、戦う前から負けているようなものです。

ラスト・スパートの時期には新しいものには手を出さず、自分がこれまで犯してきたミスをしっかりと復習し再発を防止すること、そして大きな学習漏れのないよう全体を俯瞰しておくこと。そのためには自分だけの教材を早いうちから準備していかなくてはならないなと思っていたのです。

そこで実技対策の問題演習をするかたわらで、私がXデーを意識して行っていた準備をご紹介したいと思います。名付けて「三種の神器」です。

自分の最大の懸念事項(読み飛ばしても構いません)

問題演習をしていて、自分の課題として痛感したこと4つありました。

①気象の知識が不足している
一つは、気象に関する知識が圧倒的に不足していることでした。問題の解答を見ると専門用語が並んでいるわけではなく、素人でも分かるようなことが書かれています。しかし、与えられた気象現象を読み解き、それが発生した要因や今後の展開予想に結びつけるということが全くできません。

自分なりに理由を分析すると、気象現象を引き起こす要因にどのようなものがあるのかを知らないことが原因と思われました。例えば「雨が降る」という気象現象は「雲ができるから」ですが、雲ができる要因としては「日射による地表加熱」「地形性」「低気圧」「前線付近」などが考えられます。

②気象のロジックを理解していない
次に、与えられた特定の現象に対して、考えられる要因のどれが最も当てはまるかを結びつけるロジックを知らないということでした。先の例で続けると、「紀伊半島で雨が降っている」という現象に対して下層の暖湿気が入り、紀伊山地を上昇しているからだ、すなわち地形性による降雨だ」となります。

問題集というのはケーススタディですから、解説には素っ気なく「この現象に対してはこれが原因である」と書いてあるだけです。途中のロジックはほとんどすっ飛ばされています。ましてや「一般にこのような現象を引き起こす要因としては①・・・、②・・・、③・・・が考えられる。本事例では・・・という条件が解析されるので、②を要因と考えるのが妥当である。」のような説明はありません。

③気象関連図を読めない
三つ目は、気象関連図を読み解く経験の不足です。高層天気図、エマグラム、ウィンドプロファイラー、各種鉛直断面図、いろんな等値線など多種多様なツールがあり、日常的に使われています。しかし、そもそもこうした気象図の読み方を自分が納得できるレベルで解説してある書籍はありませんでした。また読み取る練習をしたいと思ってもエマグラムやウィンドプロファイラー、等値線などは入手困難です。どんな気象現象の時にどんな気象図になるのかを知りたいと思っても、そのようなケーススタディは提供されていませんでしたし、自分で過去データを整備する時間的余裕もありませんでした。作図の問題集もあればたくさん解いてみたかったところです。

④記憶力の衰えとの戦い
最後は、自分の記憶容量の乏しさです。歳を重ねると記憶容量は小さくなっていくようです。新しいことを一つ覚えると、少し前に覚えた別のことを忘れているのです。これは気象知識以前の話で、一度やった間違いを再び犯すというレベルの低い話です。

掛け算、割り算を間違える、等圧線を読み間違える、問題集を解いていても2周目に入ると、「こんな問題、解いたっけ?」と前回やったことをすっかり忘れている。したがって、以前と同じ間違いを繰り返す。単位を間違える、穴埋め問題で不必要な語尾をつけてしまうなどは朝飯前で(?)、「どうして自分はこうも学ばない人間なんだ?」と自己嫌悪に陥りかけました。

以下に述べる対策は主に④についてのものです。記憶容量の問題もありますが、問題を何度も解いていくと気象用語に慣れてくるので、単純な忘却は減っていったように思います。

試行錯誤を重ねる(読み飛ばしても構いません)

最初からどのような資料を作れば良いか明確なイメージがあったわけではなく、色々と試しながら試験の傾向に合うもの、自分の学習に合うものに調整していきました。

自分が単純ミスを重ねてしまうことに対しては、どのようなミスを犯す傾向があるのかを分析し、問題を解くときにはそのような単純ミスを防止できるようなプロトコル(良いクセ)をつけることにしました。

色々と試行錯誤して、自分なりに落ち着いた3つの手段、名付けて「三種の神器」を紹介したいと思います。

その1 「チェックリスト」

問題演習を通して自分の理解が不足していることが判明した分野について、参考書やウェブなどを参考にして解説文をワープロで作成。そして、重要と思われる箇所を穴埋めにしたもの(いわゆる「虫食い」です)を作りました。

私は初回受験だったので、実技だけでなく学科についても「寒冷低気圧」、「防災事項」、「台風」、「大気水象」、「平均図と偏差図」など、自分でテーマ名をつけていきました。最終的には40ページほどになったものを「チェックリスト」と名付け、起きたてのまだやる気がある時間帯などにひと通り目を通しました。

ワープロで作成しているので、学習を重ねる過程でチェックリストに不足が見つかればその都度補強していきました。試験直前まで作成を続けていて作成時間はそれなりに取られましたが、作成する過程で色々調べたり、どこを穴埋めにするかで重要ポイントを抽出するので、作成過程それ自体が学習にもなりました。

定義を丸暗記することが目的ではなく、穴埋めのところを頭に叩き込むことが大切なので、このチェックリストは気象ロジックや重要なキーワードを覚えるのに大変有効でした。

こちらは「ポーラーロー」についてまとめたものです。

ポーラー・ロウ.pdf

自分ひとりが使うものなので、素っ気ない作りです。合格者の体験記を読むと、立派なサブノートを作った話が載っていたりします。しかし、自分は手書きが苦手なのと大雑把な性格なので、サクッと作ってすぐに修正もできるこのやり方が合っていました。

その2 「暗記物一覧」

気象予報士試験にも、試験にはつきものの暗記ものがあります。ひと通り学習すると何を覚えなくてはならないかが分かってきました。

そこで、暗記するものは参考書やネットなどから印刷して、一冊のクリアファイル(百円ショップで購入して)にまとめました。一冊にまとめることで探す手間も省けるし、その一冊に全て収まっているという安心感を得ることができました。

そして、ファイリングした暗記項目を俯瞰できるように目次を作りました。毎日確認するので「日々の日課」と名付けてあります。

日々の日課.pdf

私は学科2科目も同時受験だったので、気象現象や法規も頭文字や略称にして暗記しました。

クリアファイルの最初のページにこの目次を入れて、その後に順に必要な資料(国際式天気記号や風の強さなど)をファイリングしました。

この準備は試験3週間前に完了し、試験日まで毎日繰り返して記憶を確実なものにしていきました。

【ポイント】
学習中に暗記ものが出てきたら、すぐその場で暗記するのが大事だと思います。例えば、演習をしていて風速の表現を知らなかったとします。風速表現の解説ページをコピーして覚えたら、そのコピーをファイリングしておきます。ひと通りの学習を終えると覚えなくてはならないコピーが溜まっていますから、それを整理して、とにかく回数多く見直すことです。

早くから覚えると忘れるから、本番直前に覚えるという人もいます。しかし本番直前には色々とやらなければいけないことが出てくるかもしれません。覚える量が溜まってしまうのも大変です。その都度覚えていって、記憶を定期的にリフレッシュしていくことが良いと思います。

その3 「添削入り解答用紙」

問題演習は、問題を解いてからが本番です。初めて挑戦した問題は解けなくても構いません。知らなかったことは何か、なぜ間違えたのか。それを分析して、同じ間違えをしないように徹底的に頭に叩き込むことが演習の目的です。

・・・と書くと難しそうですが、私のやったことはシンプルです。まず正解を赤字で書き写した後、自分がなぜ正解に至らなかったのかを分析します。そして改善箇所を青字で書き込みます。この青字部分を見直せば、自分だけの傾向と対策となります。

ただしこれは時間を要する作業です。75分間の演習を終えた後、この見直しに3時間ぐらいはかけていました。

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CCI20171115_00002.jpg

こうして出来上がった自分なりの添削結果をクリアファイルに整理し、随時見直しをしました。これを何回か繰り返していけば自分が間違えるクセが分かってくるので、問題を解く時の流儀も変わってきます。

例えば、穴埋め問題で鉛直流の速度を問われている時、単位をつけるのか、符号はどうなのかということが気になり、必ず問題文をチェックするようになりました。

例えは悪いですが、公衆トイレに入って用を足した後で紙が切れていることに気づいたとします。次回からは用をたす前に、紙が十分あるかを確認するようになりますよね。こうした流儀を身につけていくことが大事です。

本番直前では添削ファイルをじっくり見直す必要はなくなっていましたが、これをパラパラとめくることで精神安定剤にはなったように思います。

参考書には問題の解答用紙が添付されていないものが大半です。私は自分で解答用紙を作成して、これに回答していました。1回分を作成するのに30〜40分ぐらいかかりましたが、同じ問題で3〜4回練習することを考えると時間効率は上がると思います。

【ポイント】
自分の経験上、同じ問題を最低で3回は繰り返す必要があると思います。1回目は気象知識がまったくない状態ですので、演習を通して知識と気象ロジックを整理していきます。2回目では、1回目にスルーしてしまっていた細かいところに気づいたり、1回目で理解したと思っていたことが誤解だと分かったりします。3回目になって初めて、自分の頭で考えながら問題を解くことができるようになります。

最後に

三種の神器はいずれもクリアファイルにファイリングし、カラーボックスに収納しました。その中に入っているものをしっかりと治めれば、「やるべきことはやったと思えるんだ」と自分に言い聞かせました。試験日にも精神安定剤として持ち込みました(実際に開くことはありませんでした)。

さて、ここまで読まれた方は気がつかれたかもしれませんが、最初にあげた4つの課題のうち、①気象の知識が不足している、②気象のロジックを理解していない、③気象関連図を読めない、の3つの対策がありません。

自分なりの資料を作り上げたかったのですが、十分に着手する前に試験日を迎えてしまいました。引き続き作成していき、このサイトで公開したいと思います。

なお、①については高校参考書の「地学図表」「地学図録」を読んだりしましたが、十分ではありませんでした。③についてはH社の短期講習に参加することである程度のレベルには達したかなと思います。


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