8月の気象情報 [アーカイブ]
2017年8月に発表された気象情報の中からいくつかの例を見てみます。
生の気象情報を掲載する観点から解説は加えていません。tenki.jpなどで過去の天気図を見ながら学習してください。
15日は西日本で前線が停滞し、熊本県では猛烈な雨が降りました。
30日、前線の影響で関東では昼過ぎから局地的に大雨となり、東京都練馬区付近や神奈川県山北町付近に記録的短時間大雨情報が発表されました。
大雨による防災事項を覚えましょう。
雨が降り止んでも、地盤が緩んでいると土砂災害のおそれが残ります。
太平洋高気圧の張り出しが強く猛暑日となると、高温に関する気象情報が発表されます。
太平洋側ではオホーツク海高気圧から吹き出す冷たく湿った東よりの風により、曇りや雨の日が続き日照不足や低温となることがあります。
大潮とは、地球に対して月と太陽が直線上に重なるとき、1日の満潮と干潮の潮位差が大きくなる時期を言います。大潮は新月から次の新月までの間にほぼ2回現れます。
大潮と台風の接近が重なると、高潮被害の発生の可能性が高まります。
光化学オキシダントの濃度上昇によって空気に「もや」がかかる現象を光化学スモッグと言います。
光化学オキシダントの濃度が高くなりやすいのは、(1)5~9月頃の、(2)日差しが強い晴れ又は薄曇りの日で、(3)気温が25℃以上あって、(4)風の弱い日、とされています。
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生の気象情報を掲載する観点から解説は加えていません。tenki.jpなどで過去の天気図を見ながら学習してください。
今回のポイント
・8月は前線が多く発生し、大雨、落雷、突風に関する気象情報が頻繁に発表される。
・太平洋高気圧に覆われると、高温に関する気象情報が発表される。
・オホーツク高気圧や北東気流が発生すると、日照不足に関する気象情報が発表される。
・太平洋高気圧に覆われると、高温に関する気象情報が発表される。
・オホーツク高気圧や北東気流が発生すると、日照不足に関する気象情報が発表される。
大雨と雷及び突風の気象情報
15日は西日本で前線が停滞し、熊本県では猛烈な雨が降りました。
大雨と雷及び突風に関する全般気象情報 第1号
平成29年8月15日04時44分 気象庁予報部発表
(見出し)
西日本では15日夜遅くにかけて、大気の状態が非常に不安定となり、大雨となるでしょう。土砂災害に厳重に警戒し、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒・注意してください。また、落雷や竜巻などの激しい突風に注意してください。
(本文)
[気圧配置など]
華中から西日本に前線がのび、停滞しています。前線に向かって、南から暖かく湿った空気が流れ込み、西日本では大気の状態が非常に不安定となっています。前線は15日夜にかけて西日本に停滞し、大気の非常に不安定な状態は15日夜遅くまで続く見込みです
。
[防災事項]
<大雨・雷・突風>
九州や中国地方では、局地的に雷を伴った激しい雨や非常に激しい雨が降り、大雨となっています。 西日本では15日昼にかけて、局地的に雷を伴った非常に激しい雨の降るおそれがあります。その後も15日夜のはじめ頃にかけて、激しい雨の降るところがあり、大雨となるでしょう。
16日6時までの24時間に予想される雨量は、いずれも多いところで
九州南部・中国地方・近畿地方 120ミリ
九州北部地方 100ミリ
四国地方 80ミリ
です。
土砂災害に厳重に警戒し、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒・注意してください。
また、15日夜遅くにかけて、落雷や竜巻などの激しい突風にも注意が必要です。発達した積乱雲の近づく兆しがある場合には、建物内に移動するなど、安全確保に努めてください。
[補足事項等]
地元気象台の発表する、警報や注意報、気象情報等に留意してください。
次の「大雨と雷及び突風に関する全般気象情報」は15日17時頃に発表する予定です。
平成29年8月15日04時44分 気象庁予報部発表
(見出し)
西日本では15日夜遅くにかけて、大気の状態が非常に不安定となり、大雨となるでしょう。土砂災害に厳重に警戒し、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒・注意してください。また、落雷や竜巻などの激しい突風に注意してください。
(本文)
[気圧配置など]
華中から西日本に前線がのび、停滞しています。前線に向かって、南から暖かく湿った空気が流れ込み、西日本では大気の状態が非常に不安定となっています。前線は15日夜にかけて西日本に停滞し、大気の非常に不安定な状態は15日夜遅くまで続く見込みです
。
[防災事項]
<大雨・雷・突風>
九州や中国地方では、局地的に雷を伴った激しい雨や非常に激しい雨が降り、大雨となっています。 西日本では15日昼にかけて、局地的に雷を伴った非常に激しい雨の降るおそれがあります。その後も15日夜のはじめ頃にかけて、激しい雨の降るところがあり、大雨となるでしょう。
16日6時までの24時間に予想される雨量は、いずれも多いところで
九州南部・中国地方・近畿地方 120ミリ
九州北部地方 100ミリ
四国地方 80ミリ
です。
土砂災害に厳重に警戒し、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒・注意してください。
また、15日夜遅くにかけて、落雷や竜巻などの激しい突風にも注意が必要です。発達した積乱雲の近づく兆しがある場合には、建物内に移動するなど、安全確保に努めてください。
[補足事項等]
地元気象台の発表する、警報や注意報、気象情報等に留意してください。
次の「大雨と雷及び突風に関する全般気象情報」は15日17時頃に発表する予定です。
大雨に関する気象情報
30日、前線の影響で関東では昼過ぎから局地的に大雨となり、東京都練馬区付近や神奈川県山北町付近に記録的短時間大雨情報が発表されました。
大雨による防災事項を覚えましょう。
大雨に関する関東甲信地方気象情報 第1号
平成29年8月30日15時45分 気象庁予報部発表
(見出し)
関東甲信地方では、30日夜のはじめ頃にかけて、雷を伴い1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨の降る所があるでしょう。土砂災害、低地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒してください。
(本文)
[気象状況と予想]
関東甲信地方には前線が停滞しています。前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が不安定となっています。
このため、関東甲信南部を中心に、局地的に雷を伴い1時間に80ミリ以上の猛烈な雨の降っている所があります。
[防災事項]
関東甲信地方では、30日夜のはじめ頃にかけて、局地的に雷を伴い1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨の降る所があるでしょう。
31日18時までの24時間に予想される雨量は、いずれも多い所で
関東地方南部 120ミリ
関東地方北部 80ミリ
の見込みです。
土砂災害、低地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒してください。また、落雷、突風、降ひょうに注意してください。
[補足事項]
今後、地元気象台の発表する警報、注意報、気象情報等に留意してください。
次の「大雨に関する関東甲信地方気象情報」は30日23時頃に発表する予定です。
平成29年8月30日15時45分 気象庁予報部発表
(見出し)
関東甲信地方では、30日夜のはじめ頃にかけて、雷を伴い1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨の降る所があるでしょう。土砂災害、低地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒してください。
(本文)
[気象状況と予想]
関東甲信地方には前線が停滞しています。前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が不安定となっています。
このため、関東甲信南部を中心に、局地的に雷を伴い1時間に80ミリ以上の猛烈な雨の降っている所があります。
[防災事項]
関東甲信地方では、30日夜のはじめ頃にかけて、局地的に雷を伴い1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨の降る所があるでしょう。
31日18時までの24時間に予想される雨量は、いずれも多い所で
関東地方南部 120ミリ
関東地方北部 80ミリ
の見込みです。
土砂災害、低地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒してください。また、落雷、突風、降ひょうに注意してください。
[補足事項]
今後、地元気象台の発表する警報、注意報、気象情報等に留意してください。
次の「大雨に関する関東甲信地方気象情報」は30日23時頃に発表する予定です。
雨が降り止んでも、地盤が緩んでいると土砂災害のおそれが残ります。
大雨に関する関東甲信地方気象情報 第2号
平成29年8月30日22時07分 気象庁予報部発表
(見出し)
関東地方の大雨の峠は越えましたが、これまでの大雨で地盤の緩んでいる所があります。31日明け方まで土砂災害に注意してください。
(本文)
[気象状況と予想]
関東地方の大雨の峠は越えましたが、これまでの大雨で地盤の緩んでいる所があります。また、30日夜遅くにかけて大気の状態が不安定になる見込みです。
[防災事項]
関東地方では、31日明け方まで土砂災害に注意してください。また、30日夜遅くにかけて落雷、突風、降ひょう、急な雨に注意してください。
[補足事項]
これで「大雨に関する関東甲信地方気象情報」は終了しますが、今後地元気象台の発表する注意報、気象情報に留意してください。
平成29年8月30日22時07分 気象庁予報部発表
(見出し)
関東地方の大雨の峠は越えましたが、これまでの大雨で地盤の緩んでいる所があります。31日明け方まで土砂災害に注意してください。
(本文)
[気象状況と予想]
関東地方の大雨の峠は越えましたが、これまでの大雨で地盤の緩んでいる所があります。また、30日夜遅くにかけて大気の状態が不安定になる見込みです。
[防災事項]
関東地方では、31日明け方まで土砂災害に注意してください。また、30日夜遅くにかけて落雷、突風、降ひょう、急な雨に注意してください。
[補足事項]
これで「大雨に関する関東甲信地方気象情報」は終了しますが、今後地元気象台の発表する注意報、気象情報に留意してください。
高温に関する気象情報
太平洋高気圧の張り出しが強く猛暑日となると、高温に関する気象情報が発表されます。
高温に関する四国地方気象情報 第1号
平成29年8月15日15時03分 高松地方気象台発表
(見出し)
四国地方では、17日から19日にかけて最高気温が35度以上となる所がある見込みです。
(本文)
四国地方では、17日から19日にかけて太平洋高気圧に覆われ概ね晴れて、最高気温が35度以上の猛暑日となる所がある見込みです。
気温が高い状態となるため、熱中症など健康管理や農作物の管理に十分注意してください。
平成29年8月15日15時03分 高松地方気象台発表
(見出し)
四国地方では、17日から19日にかけて最高気温が35度以上となる所がある見込みです。
(本文)
四国地方では、17日から19日にかけて太平洋高気圧に覆われ概ね晴れて、最高気温が35度以上の猛暑日となる所がある見込みです。
気温が高い状態となるため、熱中症など健康管理や農作物の管理に十分注意してください。
長期の高温と少雨の気象情報
長期間の高温と少雨に関する沖縄地方気象情報 第3号
平成29年8月28日 15時00分 沖縄気象台発表
(見出し)
沖縄地方では、7月中旬から気温の高い状態が続いています。また、沖縄本島地方、大東島地方では7月上旬から、宮古島地方では7月中旬から降水量の少ない状態が続いています。この状態は、今後2週間は続く見込みです。農作物や水の管理に十分注意してください。また、熱中症の危険が高まりますので、健康管理に十分注意してください。
(本文)
沖縄地方では7月中旬から太平洋高気圧に覆われて晴れの日が多く、気温の高い状態が続いています。また、沖縄本島地方、大東島地方では7月上旬から、宮古島地方では7月中旬から降水量の少ない状態が続いています。この状態は、今後2週間程度は続く見込みです。
農作物や水の管理に十分注意してください。また、熱中症の危険が高まりますので、健康管理に十分注意してください。
平均気温と最高気温と最低気温(7月11日から8月27日まで)(速報値)
平均気温(度) 平年値(度) 平年差(度)
那覇 30.4 28.8 +1.6
名護 30.1 28.7 +1.4
久米島 30.0 28.7 +1.3
南大東島 29.8 28.4 +1.4
宮古島 29.9 28.6 +1.3
石垣島 30.3 29.3 +1.0
西表島 29.4 28.6 +0.8
与那国島 29.4 28.6 +0.8
平均気温と最高気温と最低気温(7月11日から8月27日まで)(速報値)
平均気温(度) 平年値(度) 平年差(度)
那覇 33.7 31.7 +2.0
名護 33.3 31.8 +1.5
久米島 33.7 31.6 +2.1
南大東島 33.3 31.5 +1.8
宮古島 32.9 31.4 +1.5
石垣島 33.0 31.9 +1.1
西表島 32.7 31.6 +1.1
与那国島 32.5 31.3 +1.2
平均気温(度) 平年値(度) 平年差(度)
那覇 28.1 26.7 +1.4
名護 27.6 26.3 +1.3
久米島 27.2 26.3 +0.9
南大東島 26.5 25.7 +0.8
宮古島 27.8 26.4 +1.4
石垣島 28.3 27.3 +1.0
西表島 27.0 26.0 +1.0
与那国島 27.0 26.3 +0.7
降水量(7月1日から8月27日まで)(速報値)
降水量(ミリ) 平年値(ミリ) 平年比(%)
那覇 84.0 342.9 24
名護 107.0 362.9 29
久米島 89.0 270.4 33
南大東島 75.5 254.1 30
降水量(7月11日から8月27日まで)(速報値)
降水量(ミリ) 平年値(ミリ) 平年比(%)
宮古島 70.5 313.5 22
今後の気象情報等に留意してください。
この情報は、8月10日発表の「長期間の高温と少雨に関する沖縄地方気象情報第2号」を引き継ぐものです。
平成29年8月28日 15時00分 沖縄気象台発表
(見出し)
沖縄地方では、7月中旬から気温の高い状態が続いています。また、沖縄本島地方、大東島地方では7月上旬から、宮古島地方では7月中旬から降水量の少ない状態が続いています。この状態は、今後2週間は続く見込みです。農作物や水の管理に十分注意してください。また、熱中症の危険が高まりますので、健康管理に十分注意してください。
(本文)
沖縄地方では7月中旬から太平洋高気圧に覆われて晴れの日が多く、気温の高い状態が続いています。また、沖縄本島地方、大東島地方では7月上旬から、宮古島地方では7月中旬から降水量の少ない状態が続いています。この状態は、今後2週間程度は続く見込みです。
農作物や水の管理に十分注意してください。また、熱中症の危険が高まりますので、健康管理に十分注意してください。
平均気温と最高気温と最低気温(7月11日から8月27日まで)(速報値)
平均気温(度) 平年値(度) 平年差(度)
那覇 30.4 28.8 +1.6
名護 30.1 28.7 +1.4
久米島 30.0 28.7 +1.3
南大東島 29.8 28.4 +1.4
宮古島 29.9 28.6 +1.3
石垣島 30.3 29.3 +1.0
西表島 29.4 28.6 +0.8
与那国島 29.4 28.6 +0.8
平均気温と最高気温と最低気温(7月11日から8月27日まで)(速報値)
平均気温(度) 平年値(度) 平年差(度)
那覇 33.7 31.7 +2.0
名護 33.3 31.8 +1.5
久米島 33.7 31.6 +2.1
南大東島 33.3 31.5 +1.8
宮古島 32.9 31.4 +1.5
石垣島 33.0 31.9 +1.1
西表島 32.7 31.6 +1.1
与那国島 32.5 31.3 +1.2
平均気温(度) 平年値(度) 平年差(度)
那覇 28.1 26.7 +1.4
名護 27.6 26.3 +1.3
久米島 27.2 26.3 +0.9
南大東島 26.5 25.7 +0.8
宮古島 27.8 26.4 +1.4
石垣島 28.3 27.3 +1.0
西表島 27.0 26.0 +1.0
与那国島 27.0 26.3 +0.7
降水量(7月1日から8月27日まで)(速報値)
降水量(ミリ) 平年値(ミリ) 平年比(%)
那覇 84.0 342.9 24
名護 107.0 362.9 29
久米島 89.0 270.4 33
南大東島 75.5 254.1 30
降水量(7月11日から8月27日まで)(速報値)
降水量(ミリ) 平年値(ミリ) 平年比(%)
宮古島 70.5 313.5 22
今後の気象情報等に留意してください。
この情報は、8月10日発表の「長期間の高温と少雨に関する沖縄地方気象情報第2号」を引き継ぐものです。
日照不足と低温に関する気象情報
太平洋側ではオホーツク海高気圧から吹き出す冷たく湿った東よりの風により、曇りや雨の日が続き日照不足や低温となることがあります。
北・東日本太平洋側の日照不足と低温に関する全般気象情報
平成29年8月10日15時00分 気象庁発表
(見出し)
北日本太平洋側では8月はじめから、東日本太平洋側では7月下旬から、日照時間の少ない状態が続いています。この状態は、今後10日間程度続く見込みです。また、北日本太平洋側を中心に今後10日間程度は気温が低く、かなり低い所もある見込みです。農作物の管理等に十分注意してください。
(本文)
北日本太平洋側では8月はじめから、東日本太平洋側では7月下旬から、湿った気流や前線の影響で曇りや雨の日が多く、日照時間が平年の50%以下となっている所があります。日照時間の少ない状態は、今後10日間程度続く見込みです。
また、オホーツク海高気圧からの冷たく湿った気流の影響で、北日本太平洋側を中心に今後10日間程度は気温が低く、かなり低い所もある見込みです。
農作物の管理等に十分注意してください。
日照時間(8月1日から8月9日まで)(速報値)
日照時間(h) 平年比(%)
網走 20.7 40
広尾 14.6 40
大船渡 18.7 40
仙台 11.1 25
日照時間(7月23日から8月9日まで)(速報値)
日照時間(h) 平年比(%)
東京 46.8 46
宇都宮 20.0 25
今後、地元気象台の発表する気象情報等に留意してください。
平成29年8月10日15時00分 気象庁発表
(見出し)
北日本太平洋側では8月はじめから、東日本太平洋側では7月下旬から、日照時間の少ない状態が続いています。この状態は、今後10日間程度続く見込みです。また、北日本太平洋側を中心に今後10日間程度は気温が低く、かなり低い所もある見込みです。農作物の管理等に十分注意してください。
(本文)
北日本太平洋側では8月はじめから、東日本太平洋側では7月下旬から、湿った気流や前線の影響で曇りや雨の日が多く、日照時間が平年の50%以下となっている所があります。日照時間の少ない状態は、今後10日間程度続く見込みです。
また、オホーツク海高気圧からの冷たく湿った気流の影響で、北日本太平洋側を中心に今後10日間程度は気温が低く、かなり低い所もある見込みです。
農作物の管理等に十分注意してください。
日照時間(8月1日から8月9日まで)(速報値)
日照時間(h) 平年比(%)
網走 20.7 40
広尾 14.6 40
大船渡 18.7 40
仙台 11.1 25
日照時間(7月23日から8月9日まで)(速報値)
日照時間(h) 平年比(%)
東京 46.8 46
宇都宮 20.0 25
今後、地元気象台の発表する気象情報等に留意してください。
低温に関する気象情報
低温に関する東北地方気象情報 第1号
平成29年8月29日15時01分 仙台管区気象台発表
(見出し)
東北地方では、31日から9月5日頃にかけて、気温が平年よりかなり低い見込みです。農作物の管理などに注意してください。
(本文)
東北地方は、31日から9月5日頃にかけて寒気の影響により気温が平年よりかなり低く、9月下旬並みの気温となるでしょう。
農作物の管理などに注意してください。
今後、地方気象台が発表する注意報や気象情報に留意してください。
「低温に関する東北地方気象情報」は本号限りとします。
平成29年8月29日15時01分 仙台管区気象台発表
(見出し)
東北地方では、31日から9月5日頃にかけて、気温が平年よりかなり低い見込みです。農作物の管理などに注意してください。
(本文)
東北地方は、31日から9月5日頃にかけて寒気の影響により気温が平年よりかなり低く、9月下旬並みの気温となるでしょう。
農作物の管理などに注意してください。
今後、地方気象台が発表する注意報や気象情報に留意してください。
「低温に関する東北地方気象情報」は本号限りとします。
大潮による高い潮位の潮位情報
大潮とは、地球に対して月と太陽が直線上に重なるとき、1日の満潮と干潮の潮位差が大きくなる時期を言います。大潮は新月から次の新月までの間にほぼ2回現れます。
大潮と台風の接近が重なると、高潮被害の発生の可能性が高まります。
大潮による高い潮位に関する全般潮位情報 第1号
平成29年8月17日11時00分 気象庁地球環境・海洋部発表
(見出し)
8月22日の新月の前後は大潮の時期にあたり、満潮の時間帯を中心に潮位が高くなります。東北地方から関東地方北部にかけての太平洋沿岸、西日本、沖縄・奄美の沿岸の一部では、海岸や河口付近の低地で浸水や冠水のおそれがあります。
(本文)
夏から秋にかけては海水温が高い等の影響で、平常時の潮位が年間でも最も高い時期となります。さらに、8月22日の新月の前後は大潮の時期にあたるため、満潮の時間帯を中心に潮位が高くなる所があります。
また、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震により、東北地方から関東地方北部にかけての太平洋沿岸では地盤が大きく沈下しています。
このため、東北地方から関東地方北部にかけての太平洋沿岸、近畿地方、中国地方、四国地方、九州北部地方、九州南部・奄美地方、大東島地方の沿岸の一部では、8月18日から8月27日にかけて、満潮の時間帯を中心に海岸や河口付近の低地で浸水や冠水のおそれがありますので注意してください。
なお、この期間中に台風や低気圧の通過等があった場合や、短時間に海面が昇降を繰り返す副振動の発生等があった場合は、さらに潮位が上昇する可能性があります。
今後、地元気象台から発表される高潮警報・注意報や潮位情報に十分留意してください。
「大潮による高い潮位に関する全般潮位情報」は本号のみとします。
平成29年8月17日11時00分 気象庁地球環境・海洋部発表
(見出し)
8月22日の新月の前後は大潮の時期にあたり、満潮の時間帯を中心に潮位が高くなります。東北地方から関東地方北部にかけての太平洋沿岸、西日本、沖縄・奄美の沿岸の一部では、海岸や河口付近の低地で浸水や冠水のおそれがあります。
(本文)
夏から秋にかけては海水温が高い等の影響で、平常時の潮位が年間でも最も高い時期となります。さらに、8月22日の新月の前後は大潮の時期にあたるため、満潮の時間帯を中心に潮位が高くなる所があります。
また、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震により、東北地方から関東地方北部にかけての太平洋沿岸では地盤が大きく沈下しています。
このため、東北地方から関東地方北部にかけての太平洋沿岸、近畿地方、中国地方、四国地方、九州北部地方、九州南部・奄美地方、大東島地方の沿岸の一部では、8月18日から8月27日にかけて、満潮の時間帯を中心に海岸や河口付近の低地で浸水や冠水のおそれがありますので注意してください。
なお、この期間中に台風や低気圧の通過等があった場合や、短時間に海面が昇降を繰り返す副振動の発生等があった場合は、さらに潮位が上昇する可能性があります。
今後、地元気象台から発表される高潮警報・注意報や潮位情報に十分留意してください。
「大潮による高い潮位に関する全般潮位情報」は本号のみとします。
スモッグ気象情報(光化学オシキダント)
光化学オキシダントの濃度上昇によって空気に「もや」がかかる現象を光化学スモッグと言います。
光化学オキシダントの濃度が高くなりやすいのは、(1)5~9月頃の、(2)日差しが強い晴れ又は薄曇りの日で、(3)気温が25℃以上あって、(4)風の弱い日、とされています。
スモッグ気象情報(光化学オシキダント) 第48号
平成29年8月24日13時50分 気象庁予報部発表
(見出し)
関東地方の一部の地域では、今日(24日)夕方にかけて、光化学スモッグの発生しやすい気象状態となるでしょう。
(本文)
関東地方では、晴れて日射が強く、風速も平均4メートル以下の弱い所が多く、気温が35度くらいまで上がっている所があります。
このため、
埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県
では、光化学スモッグの発生しやすい気象状態が、今日(24日)夕方にかけて続く見込みです。
屋外での活動に十分注意してください。
上記の各都県で、光化学スモッグの発生しやすい気象状態が予想されるのは、下表で○を付けた地域と時間帯です。
14時 15時 16時 17時 18時
埼玉県(南部) ・ ◯ ◯ ◯ ◯
(北部) ・ ・ ◯ ◯ ◯
(秩父地方) ・ ・ ・ ・ ・
千葉県(北西部) ◯ ◯ ◯ ◯ ・
(北東部) ・ ・ ・ ・ ・
(南部) ・ ・ ・ ・ ・
東京都(23区地域) ◯ ◯ ◯ ◯ ・
(多摩地域) ◯ ◯ ◯ ・ ・
神奈川県(東部) ◯ ◯ ◯ ・ ・
(西部) ・ ◯ ◯ ・ ・
平成29年8月24日13時50分 気象庁予報部発表
(見出し)
関東地方の一部の地域では、今日(24日)夕方にかけて、光化学スモッグの発生しやすい気象状態となるでしょう。
(本文)
関東地方では、晴れて日射が強く、風速も平均4メートル以下の弱い所が多く、気温が35度くらいまで上がっている所があります。
このため、
埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県
では、光化学スモッグの発生しやすい気象状態が、今日(24日)夕方にかけて続く見込みです。
屋外での活動に十分注意してください。
上記の各都県で、光化学スモッグの発生しやすい気象状態が予想されるのは、下表で○を付けた地域と時間帯です。
14時 15時 16時 17時 18時
埼玉県(南部) ・ ◯ ◯ ◯ ◯
(北部) ・ ・ ◯ ◯ ◯
(秩父地方) ・ ・ ・ ・ ・
千葉県(北西部) ◯ ◯ ◯ ◯ ・
(北東部) ・ ・ ・ ・ ・
(南部) ・ ・ ・ ・ ・
東京都(23区地域) ◯ ◯ ◯ ◯ ・
(多摩地域) ◯ ◯ ◯ ・ ・
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雪に関する気象情報 [気象情報]
初稿:2017年12月8日
追加:2018年 1月3日
降雪時に特有な防災事項として下記を覚えておきましょう。
赤字下線部は過去の実技試験に穴埋め問題として出題されたことがあるキーワードです。
(注)
下記事例には登場しませんが、「吹きだまりによる交通障害に注意してください」という表現があります。
また、札幌管区気象台では平成26年から「数年に一度の猛ふぶきとなるおそれがあります。外出は控えてください。」という表現を使い始めました。
2017年12月5日の九州北部地方の地方気象情報と、長野県の府県気象情報を取り上げます。
この日、日本上空には強い寒気が流れ込んで冷え込みが強まり、九州や四国、中国地方の各地で初雪を観測しました。福岡で降雪があったほか、松江市や山口県下関市、高松市、熊本市、佐賀市では初雪となりました。
こちらは4日21時(UTC12時)を初期時刻とする850hPa気温・風、700hPa上昇流の24時間予想図です。
九州北部にマイナス9℃の等温線がかかっています。
この状況で、福岡管区気象台は4日10時55分、大雪に関する地方気象情報第1号を発表しました。
こちらは5日に発表された第2号です。
一方、長野地方気象台がほぼ同時刻に発表した気象情報がこちらです。
防災事項に、九州北部の気象情報にはなかった「電線や架線、樹木などへの着雪に注意」があります。
気温0℃前後で降る雪は湿っていて物に付着しやすくなっています(これを「着雪」といいます)。着雪は、電線等の断線や送電鉄塔や樹木の倒壊等の被害を発生させる恐れがあります。
長野と九州北部を比較すると、地上気温こそ長野の方が低いですが、850hPaの気温は長野のマイナス3℃に対して九州北部はマイナス9℃です。この違いにより、長野県では着雪への注意が出ていたものと思われます。
5日13時の衛星画像を見ると、面白い状況が見えます。
まず赤外画像(IR)です。
そして可視画像(VIS)です。
日本海側に積乱雲が発生しているのが分かりますが、関東平野だけ見事に雲がかかっていません。
この日の東京は西よりの風が吹いていたのですが、日本海側で雪を降らした雲は水分を落とし、関東周辺では乾燥した風を吹かせたということです。
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追加:2018年 1月3日
今回のポイント
降雪時に特有な防災事項として下記を覚えておきましょう。
・積雪や路面凍結による交通障害
・降雪による視程障害
・農作物や農業施設の管理
・電線や架線、樹木などへの着雪 (ただし、気温が0℃前後のとき)
・降雪による視程障害
・農作物や農業施設の管理
・電線や架線、樹木などへの着雪 (ただし、気温が0℃前後のとき)
赤字下線部は過去の実技試験に穴埋め問題として出題されたことがあるキーワードです。
(注)
下記事例には登場しませんが、「吹きだまりによる交通障害に注意してください」という表現があります。
また、札幌管区気象台では平成26年から「数年に一度の猛ふぶきとなるおそれがあります。外出は控えてください。」という表現を使い始めました。
事例検討
2017年12月5日の九州北部地方の地方気象情報と、長野県の府県気象情報を取り上げます。
この日、日本上空には強い寒気が流れ込んで冷え込みが強まり、九州や四国、中国地方の各地で初雪を観測しました。福岡で降雪があったほか、松江市や山口県下関市、高松市、熊本市、佐賀市では初雪となりました。
こちらは4日21時(UTC12時)を初期時刻とする850hPa気温・風、700hPa上昇流の24時間予想図です。
九州北部にマイナス9℃の等温線がかかっています。
この状況で、福岡管区気象台は4日10時55分、大雪に関する地方気象情報第1号を発表しました。
こちらは5日に発表された第2号です。
大雪に関する九州北部地方(山口県を含む)気象情報 第2号
平成29年12月5日05時30分 福岡管区気象台発表
(見出し)
九州北部地方では、5日夜遅くにかけて山地を中心に大雪となる恐れがあります。積雪や路面凍結による交通障害、農作物や農業施設の管理などに注意してください。
(本文)
九州北部地方では、5日は強い冬型の気圧配置となり上空約1500メートルに氷点下9度以下の強い寒気が南下する見込みです。
5日05時の気象衛星やレーダーによりますと、対馬海峡には寒気に伴う雪雲が観測され、九州北部地方へ流れ込んでいます。
このため、九州北部地方では5日は局地的に雷を伴い断続的に雪か雨が降り、5日遅くにかけて山地を中心に大雪となるおそれがあります。
<降雪の深さの予想>
5日06時から6日06時までの降雪の深さ(多い所)
山地(標高200メートルを超える地域)
福岡県、佐賀県 10センチ
<防災事項>
積雪や路面凍結による交通障害、降雪による視程障害、農作物や農業施設の管理に注意してください。
今後、地元の気象台が発表する注意報や気象情報等に留意してください。
次の「大雪に関する九州北部地方(山口県を含む)気象情報」は、5日11時頃発表の予定です。
平成29年12月5日05時30分 福岡管区気象台発表
(見出し)
九州北部地方では、5日夜遅くにかけて山地を中心に大雪となる恐れがあります。積雪や路面凍結による交通障害、農作物や農業施設の管理などに注意してください。
(本文)
九州北部地方では、5日は強い冬型の気圧配置となり上空約1500メートルに氷点下9度以下の強い寒気が南下する見込みです。
5日05時の気象衛星やレーダーによりますと、対馬海峡には寒気に伴う雪雲が観測され、九州北部地方へ流れ込んでいます。
このため、九州北部地方では5日は局地的に雷を伴い断続的に雪か雨が降り、5日遅くにかけて山地を中心に大雪となるおそれがあります。
<降雪の深さの予想>
5日06時から6日06時までの降雪の深さ(多い所)
山地(標高200メートルを超える地域)
福岡県、佐賀県 10センチ
<防災事項>
積雪や路面凍結による交通障害、降雪による視程障害、農作物や農業施設の管理に注意してください。
今後、地元の気象台が発表する注意報や気象情報等に留意してください。
次の「大雪に関する九州北部地方(山口県を含む)気象情報」は、5日11時頃発表の予定です。
一方、長野地方気象台がほぼ同時刻に発表した気象情報がこちらです。
大雪に関する長野県気象情報 第1号
平成29年12月5日05時54分 長野地方気象台発表
(見出し)
北部の山沿いでは、5日夜のはじめ頃から6日明け方にかけて、大雪となる見込みです。大雪による交通障害に警戒してください。
(本文)
[気象状況と予想] 日本付近は冬型の気圧配置となっています。北日本から東日本の上空約5500メートルに氷点下30度以下の寒気が流れ込み、6日にかけて日本付近は冬型の気圧配置が続く見込みです。
このため、5日夜のはじめ頃から6日明け方にかけて、北部の山沿いを中心にまとまった降雪となるでしょう。
[予想降雪量] 5日6時から5日18時までの12時間降雪量は、いずれも多い所で、
北部 長野地域山沿い :5センチ
中野飯山地域 :5センチ
大北地域山沿い :10センチ
その他の地域 :3センチ未満
5日6時から6日6時までの24時間降雪量は、いずれも多い所で、
北部 長野地域山沿い :30センチ
長野地域平地 :10センチ
中野飯山地域 :30センチ
大北地域山沿い :40センチ
大北地域平地 :10センチ
中部 上田地域の菅平周辺 :10センチ
松本地域の聖高原周辺 :10センチ
乗鞍上高地地域 :10センチ
南部 木曽地域 :10センチ
その他の地域 :3センチ未満
の見込みです。
[防災事項]
大雪による交通障害に警戒してください。
また、落雷、突風、電線や架線、樹木などへの着雪に注意してください。
[特記事項]
平成29年6月25日に発生した長野県南部の地震に伴い、揺れの大きかった王滝村、木曽町については、大雨警報・注意報の発表基準(土壌雨量指数基準)を暫定的に引き下げて運用しています。
[補足事項]
今後、気象台が発表する警報や注意報、気象情報に留意してください。
次の「大雪に関する長野県気象情報」は、5日17時頃に発表する予定です。
平成29年12月5日05時54分 長野地方気象台発表
(見出し)
北部の山沿いでは、5日夜のはじめ頃から6日明け方にかけて、大雪となる見込みです。大雪による交通障害に警戒してください。
(本文)
[気象状況と予想] 日本付近は冬型の気圧配置となっています。北日本から東日本の上空約5500メートルに氷点下30度以下の寒気が流れ込み、6日にかけて日本付近は冬型の気圧配置が続く見込みです。
このため、5日夜のはじめ頃から6日明け方にかけて、北部の山沿いを中心にまとまった降雪となるでしょう。
[予想降雪量] 5日6時から5日18時までの12時間降雪量は、いずれも多い所で、
北部 長野地域山沿い :5センチ
中野飯山地域 :5センチ
大北地域山沿い :10センチ
その他の地域 :3センチ未満
5日6時から6日6時までの24時間降雪量は、いずれも多い所で、
北部 長野地域山沿い :30センチ
長野地域平地 :10センチ
中野飯山地域 :30センチ
大北地域山沿い :40センチ
大北地域平地 :10センチ
中部 上田地域の菅平周辺 :10センチ
松本地域の聖高原周辺 :10センチ
乗鞍上高地地域 :10センチ
南部 木曽地域 :10センチ
その他の地域 :3センチ未満
の見込みです。
[防災事項]
大雪による交通障害に警戒してください。
また、落雷、突風、電線や架線、樹木などへの着雪に注意してください。
[特記事項]
平成29年6月25日に発生した長野県南部の地震に伴い、揺れの大きかった王滝村、木曽町については、大雨警報・注意報の発表基準(土壌雨量指数基準)を暫定的に引き下げて運用しています。
[補足事項]
今後、気象台が発表する警報や注意報、気象情報に留意してください。
次の「大雪に関する長野県気象情報」は、5日17時頃に発表する予定です。
防災事項に、九州北部の気象情報にはなかった「電線や架線、樹木などへの着雪に注意」があります。
気温0℃前後で降る雪は湿っていて物に付着しやすくなっています(これを「着雪」といいます)。着雪は、電線等の断線や送電鉄塔や樹木の倒壊等の被害を発生させる恐れがあります。
長野と九州北部を比較すると、地上気温こそ長野の方が低いですが、850hPaの気温は長野のマイナス3℃に対して九州北部はマイナス9℃です。この違いにより、長野県では着雪への注意が出ていたものと思われます。
最後に
5日13時の衛星画像を見ると、面白い状況が見えます。
まず赤外画像(IR)です。
そして可視画像(VIS)です。
日本海側に積乱雲が発生しているのが分かりますが、関東平野だけ見事に雲がかかっていません。
この日の東京は西よりの風が吹いていたのですが、日本海側で雪を降らした雲は水分を落とし、関東周辺では乾燥した風を吹かせたということです。
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降水量の読み取り方 [練習]
(2018.8.23 修正)
ご指摘をいただき、文末の【第38回(2012年第1回)実技1問4】の解答を修正しました。
(誤)「19時30分から20時30分」
(正)「19時00分から20時30分」
降水量は、観測時刻までの一定の時間(1時間、3時間など)に降った雨の量を表します。
「X時の降水量」という時、X時は観測時間の「始点」ではなく「終点」であることに注意してください。例えば「10時の前6時間降水量」といえば「10時を終点とする6時間」、すなわち「4時00分〜10時00分までの6時間」の降水量をさします。通常は、「前○○時間降水量」の「前」を省略して、「○○時間降水量」と表現することが多いので間違わないようにしましょう。
(前)降水量には1時間、2時間、3時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間の8通りがあります。実技試験の読み取りで出題されるのは1時間降水量が大半です。また、高層天気図の地上気圧・降水量・海上風予想図には、12時間降水量が記載されています。
ある期間中に降水があったが、その量が 0.5 mm (転倒ます型雨量計の場合)に達しないときは「 0.0 mm 」とし、「降水なし」の場合の「-」とは区別します。
(出典)気象庁
受水口に入る雨量の一定量(0.5 mm)毎に転倒ますが転倒動作をリードスイッチで検出して、接点パルス信号を出力します。
雨量にはアメダス観測による雨量と、レーダー観測をもとにした解析雨量があります。アメダスは約17kmの間隔毎に設置され、0.5mm単位の雨量計で測定しています。アメダスが面的にカバーできないエリアの雨量をレーダーで推定し、アメダス観測で補正したものが解析雨量です。
<問題>
次の表から、7時の3時間降水量を求めなさい。
<正解>
69.0mm
<解説>
7時の3時間とは「7時の前3時間」と読み直します。すなわち4時台、5時台、6時台のことです。
5時の10.0mm:4時00分〜5時00分の降水量
6時の43.0mm:5時00分〜6時00分の降水量
7時の16.0mm:6時00分〜7時00分の降水量
ということで、10.0+43.0+16.0=69.0mmが正解です。
降水量を表や図で示して、その値を読み取る問題が出されています。「X時の降水量」は観測時間の「終点」であることを再認識した上で、出題事例を見てみましょう。
【第39回(2012年第2回)実技1問3】
次の1時間降水量時系列図が与えられています。
問題文には「館山では9時から10時の1時間に41mmの激しい雨が観測された。」とあります。言い換えると「10時の1時間降水量は41mmである」ということで、これを丁寧に言い直すと「10時の前1時間(9時から10時)降水量は41mmである」となります。
なお、本問は等温線を描かせた後、2地点間の温度勾配を計算させる問題で、降水量の読み取り問題ではありませんでした。
【第37回(2011年第2回)実技1問5】
米子と大山の降水量と降雪量の時系列が与えられています。設問では、これを用いて米子と大山の12月31日9時(00UTC)〜1月1日9時(00UTC)の24時間降水量及び24時間降雪量をそれぞれ10mm刻み、10cm刻みで答えよ、というものです。
時間毎の降水量は棒グラフの上部に記載されているので、24時間分を合計すれば良いわけです。
【米子】
24時間降水量=102.5mm →100mm(10mm刻み)
(6.0+6.0+5.0+5.0+1.0+0.5+0.5+4.5+3.5+7.0+6.0+5.5+6.0+3.0+1.5+1.5+11.0+10.5+13.0+5.0+0.0+0.0+0.5+0.0)
【大山】
24時間降水量=110mm →110mm(10mm刻み)
(7.0+7.0+8.5+7.5+5.5+3.0+0.5+6.0+4.5+3.5+4.0+6.0+8.5+8.0+5.5+6.0+5.0+4.5+5.0+3.5+0.5+0.0+0.5+0.0)
単純な足し算の問題ですが、小さな数字を24回足さなければならないので、足し漏れが発生しないように、足した数値にはチェックをするなどしましょう。さらに「10cm刻みで答えよ」という引っ掛けが用意されています。このような条件が設定されている場合、問題文に下線を引いて最後の処理を忘れないようにしましょう。
なお、本設問では意識する必要はありませんが、「12月31日9時(00UTC)〜1月1日9時(00UTC)の降水量」は「12月31日9時の前1時間降水量(8時から9時)」から「1月1日9時の前1時間降水量(8時から9時)」を合計することになります。
【第38回(2012年第1回)実技1問4】
設問は南阿蘇村の30分毎の解析雨量時系列図(下図)とウィンドプロファイラの高層風時系列図(ここでは省略)を用いて、大雨警報(浸水害)の発表基準以上の雨が降っていた時間帯(30分刻み)を答えよ、というものです。
南阿蘇村の大雨警報(浸水害)の発表基準は、「1時間雨量で60mm」と与えられています。
解析雨量の時系列図を見ると、基準値の60mmを超えているのは20時と20時30分です。「降水量は前時間降水量」というのが鉄則です。
本図では前1時間の解析雨量が30分単位で示されています。
したがって、解答は「19時00分から20時30分」となります。
降水量の読み取り問題は、「前○○時間の降水量を聞いている」ということが分からないと混乱してしまいます。私もしばらくは誤解していましたが、今回まとめてみてスッキリしました。
もし本稿の説明で理解できない方は、下のコメント欄から遠慮なくご質問ください。
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ご指摘をいただき、文末の【第38回(2012年第1回)実技1問4】の解答を修正しました。
(誤)「19時30分から20時30分」
(正)「19時00分から20時30分」
鉄則: 降水量の読み取り方
・「10時の降水量」とは「9時から10時の1時間の降水量」のことである(注)
・「10時の降水量」は「10時の1時間降水量」「10時の前1時間降水量」とも表現する
(注)降水量が1時間単位で観測されている場合
・「10時の降水量」は「10時の1時間降水量」「10時の前1時間降水量」とも表現する
(注)降水量が1時間単位で観測されている場合
降雪量とは
降水量は、観測時刻までの一定の時間(1時間、3時間など)に降った雨の量を表します。
「X時の降水量」という時、X時は観測時間の「始点」ではなく「終点」であることに注意してください。例えば「10時の前6時間降水量」といえば「10時を終点とする6時間」、すなわち「4時00分〜10時00分までの6時間」の降水量をさします。通常は、「前○○時間降水量」の「前」を省略して、「○○時間降水量」と表現することが多いので間違わないようにしましょう。
(前)降水量には1時間、2時間、3時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間の8通りがあります。実技試験の読み取りで出題されるのは1時間降水量が大半です。また、高層天気図の地上気圧・降水量・海上風予想図には、12時間降水量が記載されています。
ある期間中に降水があったが、その量が 0.5 mm (転倒ます型雨量計の場合)に達しないときは「 0.0 mm 」とし、「降水なし」の場合の「-」とは区別します。
(出典)気象庁
受水口に入る雨量の一定量(0.5 mm)毎に転倒ますが転倒動作をリードスイッチで検出して、接点パルス信号を出力します。
雨量にはアメダス観測による雨量と、レーダー観測をもとにした解析雨量があります。アメダスは約17kmの間隔毎に設置され、0.5mm単位の雨量計で測定しています。アメダスが面的にカバーできないエリアの雨量をレーダーで推定し、アメダス観測で補正したものが解析雨量です。
例題
<問題>
次の表から、7時の3時間降水量を求めなさい。
時刻 | 降水量(mm) |
---|---|
4 | 1.0 |
5 | 10.0 |
6 | 43.0 |
7 | 16.0 |
8 | 2.0 |
<正解>
69.0mm
<解説>
7時の3時間とは「7時の前3時間」と読み直します。すなわち4時台、5時台、6時台のことです。
5時の10.0mm:4時00分〜5時00分の降水量
6時の43.0mm:5時00分〜6時00分の降水量
7時の16.0mm:6時00分〜7時00分の降水量
ということで、10.0+43.0+16.0=69.0mmが正解です。
出題事例で確認しよう
降水量を表や図で示して、その値を読み取る問題が出されています。「X時の降水量」は観測時間の「終点」であることを再認識した上で、出題事例を見てみましょう。
【第39回(2012年第2回)実技1問3】
次の1時間降水量時系列図が与えられています。
問題文には「館山では9時から10時の1時間に41mmの激しい雨が観測された。」とあります。言い換えると「10時の1時間降水量は41mmである」ということで、これを丁寧に言い直すと「10時の前1時間(9時から10時)降水量は41mmである」となります。
なお、本問は等温線を描かせた後、2地点間の温度勾配を計算させる問題で、降水量の読み取り問題ではありませんでした。
【第37回(2011年第2回)実技1問5】
米子と大山の降水量と降雪量の時系列が与えられています。設問では、これを用いて米子と大山の12月31日9時(00UTC)〜1月1日9時(00UTC)の24時間降水量及び24時間降雪量をそれぞれ10mm刻み、10cm刻みで答えよ、というものです。
時間毎の降水量は棒グラフの上部に記載されているので、24時間分を合計すれば良いわけです。
【米子】
24時間降水量=102.5mm →100mm(10mm刻み)
(6.0+6.0+5.0+5.0+1.0+0.5+0.5+4.5+3.5+7.0+6.0+5.5+6.0+3.0+1.5+1.5+11.0+10.5+13.0+5.0+0.0+0.0+0.5+0.0)
【大山】
24時間降水量=110mm →110mm(10mm刻み)
(7.0+7.0+8.5+7.5+5.5+3.0+0.5+6.0+4.5+3.5+4.0+6.0+8.5+8.0+5.5+6.0+5.0+4.5+5.0+3.5+0.5+0.0+0.5+0.0)
単純な足し算の問題ですが、小さな数字を24回足さなければならないので、足し漏れが発生しないように、足した数値にはチェックをするなどしましょう。さらに「10cm刻みで答えよ」という引っ掛けが用意されています。このような条件が設定されている場合、問題文に下線を引いて最後の処理を忘れないようにしましょう。
なお、本設問では意識する必要はありませんが、「12月31日9時(00UTC)〜1月1日9時(00UTC)の降水量」は「12月31日9時の前1時間降水量(8時から9時)」から「1月1日9時の前1時間降水量(8時から9時)」を合計することになります。
【第38回(2012年第1回)実技1問4】
設問は南阿蘇村の30分毎の解析雨量時系列図(下図)とウィンドプロファイラの高層風時系列図(ここでは省略)を用いて、大雨警報(浸水害)の発表基準以上の雨が降っていた時間帯(30分刻み)を答えよ、というものです。
南阿蘇村の大雨警報(浸水害)の発表基準は、「1時間雨量で60mm」と与えられています。
解析雨量の時系列図を見ると、基準値の60mmを超えているのは20時と20時30分です。「降水量は前時間降水量」というのが鉄則です。
本図では前1時間の解析雨量が30分単位で示されています。
したがって、解答は「19時00分から20時30分」となります。
最後に
降水量の読み取り問題は、「前○○時間の降水量を聞いている」ということが分からないと混乱してしまいます。私もしばらくは誤解していましたが、今回まとめてみてスッキリしました。
もし本稿の説明で理解できない方は、下のコメント欄から遠慮なくご質問ください。
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降雪のエッセンシャル [エッセンシャル]
日本における降雪のメカニズム
日本海側と太平洋側で雪が降るメカニズムは異なる。
日本海側の降雪
・日本海上の気団変質に伴う。
シベリアからの乾燥した寒気→日本海の海面から顕熱と水蒸気(潜熱)を供給される→成層状態が悪くなり、対流活動が活発化する。
・山沿いで大雪になる山雪型と、海岸や平野部で大雪となる里雪型がある。
太平洋側の降雪
・低温時(地上気温が2℃以下)における南岸低気圧に伴う。
降雪の目安
強い寒気が南下すると降雪の可能性がある。その目安は次のとおり。
分類 | 500hPaの等温線 | 850hPaの等温線 |
---|---|---|
大雪 | −36℃ | −12℃ |
雪 | −6℃(関東は−3℃) |
雪による被害
生活への障害
「着雪害」
着雪とは湿った雪が送電線や樹木に付着すること。これにより、電線等の断線や送電鉄塔等の倒壊等の被害が発生する(気温0℃付近で発生しやすい)。
「落雪害」
落雪によって起こる災害。
「融雪害」
融雪が原因となって起こる災害。
「交通障害」
大雪が降るとふぶきや吹きだまりなどにより、視程不良・積雪・路面凍結による交通障害が発生する。
なだれ(雪崩)
・全層なだれと表層なだれがある。
※気象庁は「なだれ」とひらがな表記している。
(出典)国土交通省
警報と注意報
・雪に関する警報は「暴風雪」「大雪」の2つ。
・雪に関する注意報は「風雪」「大雪」「融雪」「なだれ」「着雪」の5つ。
※着氷注意報について
「着雪」と紛らわしい現象に「着氷」がある。着氷は大気中の水蒸気が物体に昇華したり、過冷却の雲粒が物体に凍りついて発生する。
着氷注意報はほとんどが冬季の北海道で、船体着氷に対して出される。例えば函館地方の船体着氷注意報の基準は、水温が4℃以下、気温が-5℃以下、風速が8 m/s以上のときに発表される。
参考:http://www.jma-net.go.jp/aomori/koho/yuki/yuki2016_06a.pdf
降雪量など
積雪の深さ
既に降り積もった雪の深さ。
降雪の深さ
ある時間の間に新しく積もった雪の深さ。24時間で50cm以上の降雪は警報級。
■雪水比(ゆきみずひ)
・ある特定の地上気温における降水量(mm)とそれを降雪量(cm)に換算した時の値の比率。
降雪量(cm)=降水量(mm)×雪水比(cm/mm)
・湿った雪の雪水比は0.5〜1.0程度。
理解しておきたい用語
山雪型
・気圧配置は西高東低の冬型、等圧線は南北に縦縞模様。
・上空の寒気の中心は日本海北部や北日本にある。
・筋状の雲が見られる。
・→山の風上側で積乱雲が発達する。
(出典)松江地方気象台
里雪型
・等圧線が日本海で袋状。
・上空の寒気の中心は日本海の中・南部。
・→海岸沿いを中心に積乱雲が発達、もしくは日本海で発生した小低気圧が上陸して平野部を中心に大雪をもたらす。
(出典)松江地方気象台
表層なだれ
先に積もっていた雪の表面に新たに積もった雪が、気温の上昇や振動などが原因で滑り落ちることで発生する。発生地点から遠く離れた場所まで襲来する恐れがある。2kmも離れた麓の集落を襲った事例あり。
全層なだれ
積雪がある山地の斜面で、気温の上昇や降水により溶けた水で滑りやすくなった地表面場を積雪層全体が滑り落ちる。春先の融雪期に多い。
JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)
冬型の気圧配置で、シベリアからの北西の風が北朝鮮と中国の国境をまたぐ長白山脈で南北に分かれ、日本海で再び合流することで雲の発達しやすいライン(収束帯)が形成されること。しばしば日本海側の大雪の要因となります。
暴風雪
暴風に雪を伴うもの。
地ふぶき
積もった雪が風のために空中に吹き上げられる現象。風が強く、地ふぶきによる視程障害や吹きだまりによる交通障害の発生する可能性がある場合には、暴風雪警報、風雪注意報を発表する。
融解層
雨雲の中で気温が0℃に近く、氷の粒が溶け始める層のこと。気象レーダー画像にはブライトバンドとして現れる。
ブライトバンド
ある一定の高度で強いエコーが現れる現象。上空から落下するゆきやあられなどの氷粒子が気温0℃の層(融解層)を通過するときに溶けた氷粒子の表面で電波が強く散乱される。
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参考書はこれだけで十分! [試験対策]
初稿:2017.11.20
修正:2017.12.28, 2019.5.7
気象予報士試験の参考書は、学科(一般知識)、学科(専門)、実技に分かれています。学科を一冊にまとめたり、学科と実技を一冊にしたものもあります。
それぞれの構成は、①教科書のように解説が主体のもの、②問題演習が主体のもの、③解説と問題演習を合わせたもの、があります。
気象予報士試験の実技対策の参考書は③のタイプが主流で、次のような特徴があります。
古い書籍のメリットは、現在では入手困難な過去問題が含まれていることです。しかしデメリットもあります。最大の問題点は内容が更新されておらず、予報業務の変化が反映されていないことです。
近年は激しい気象現象が増加しており、それに応じて防災情報の拡充が行われています。警報の発表基準なども見直されています。
売れている書籍は改定により最新化を図っていますが、良書であっても増刷されずに古い在庫のみが並んでいることもあります。もちろん、最近の気象事例が取り上げられていないというのも古い書籍の懸念点です。
都心の大型書店でも気象予報士試験の対策本の品揃えが豊富な店は少ないです。ジュンク堂書店各店、三省堂書店神保町本店はだいたい揃っています。それ以外の書店では、市販されている参考書を全て揃えている店はあまりないと思います。
実技試験では高層天気図を扱うため、実技対策本は大型でページ数も多くなります。部数が出ないせいか、価格は3千円以上もします。
こうした事情からアマゾンでポチすることが多いものの、満足できる内容でないと本当にがっかりしてしまいます。
一方で、どの書籍も著者が苦労して執筆されているのでしょうが、受験者目線で見ると本当に知りたいことが書かれた本は残念ながらありません。
具体的に不足しているのは次の4項目です。
・基礎事項の解説
・天気図解析の手法解説
・気象現象の解説
・過去事例の紹介
しかし、現実には市販の教材を使うしかありません。そこでお金と時間をムダにしないよう、私の経験から数冊を厳選してみました。これらの本に取り組めば合格の可能性は高まります(事前知識ゼロの私が、これで合格できました)。
書籍名に付した番号順にステップアップしていくのがオススメです。
まずは実技問題に取り組む前に、準備として読むと良い書籍から紹介します。
①「改定新版 わかりやすい天気図の話」
大塚龍蔵・著、クライム気象図書出版、800円+税
・等圧線と前線について、試験対策書(後述)には書かれていない内容が平易に説明されている。
・何と言っても、全74ページと薄くて読みやすいのが嬉しいです。初版は昭和39年、ラジオで気象通報を聞いて天気図を書く人の入門書として書かれた古典です。時代の流れにも色褪せない基本が書かれています。
②「わかりやすい天気図の話」
クライム気象図書出版、800円+税
・①と似た感じの書籍なので、①を熟読して相性が合えばこれも手に取ると良いでしょう。
③「ダイナミック図解 天気と気象のしくみパーフェクト事典」
平井信行・監修、ナツメ社、1、500円+税
・日本の四季の気候及び気象現象を豊富な写真と図解で解説しています。日々の天気予報や学習の過程で気になった現象を拾い読みすれば良い。頭から全ページ読む必要はありません。
・類似書は他にも出ているので、どれでも気に入ったものを一冊手元に置いておくと安心です。
続いては、問題演習の書籍です。
④「らくらく突破気象予報士かんたん合格テキスト 実技編」
気象予報士試験受験支援会・著、技術評論社、3,200円+税
【本書の特徴】
・ほぼB5サイズで全447ページという、手にした瞬間に圧倒されるボリューム。前半はテキストで、後半が7問の「テーマ別事例演習」という構成。
・テキストは「実技のための基礎知識」「天気図の読み方と着眼点」「合格のための試験対策と作図対策」から構成。
・テーマ別事例演習は過去問題ではなく、本書のオリジナル問題と思われる。
【感想】
・この本の使い方は、前半のテキストは無視して、後半に「第4章 テーマ別事例演習」と題して7問の事例が掲載されているので、こちらから着手しましょう。最初はできなくて当然です。分からないなりにひと通りやってみると、土地勘が湧いてきます。その時点で前半のテキストを事典代わりに読んだり、他の参考書などに当たってみると無駄がありません。
・本書を1ページ目から順番に読むのは避けるべきです。枚数は多いですが、ダラダラと書いてあるだけで事象のイメージが湧かないからです。途中で挫折します(→しました)。「らくらく突破」シリーズは日本語が悪文で、読んでいるとイライラしてきます。しかも文章が冗長で、もっとストレートに要点だけ書いて欲しいとしばしば思いました。
・この書籍の良い点は、事例演習の解説が懇切親切な点です。知っておかなければならない知識が豊富に詰まっているので、解説は何度も読み返した上で、自分なりにエッセンスを体系化して要点集を作ると有効です。
・本書の問題は基本レベルです。知っておかなければならないことが多く含まれますが、これだけでは今日の試験に合格することはできません(本書にもその免責が書かれています)。本書を2〜3回程度やったら、次の参考書⑤にステップアップしましょう。
⑤「’15−‘16年版 ひとりで学べる!気象予報士実技試験 完全攻略テキスト&問題集」
気象予報士試験対策研究会・編著、ナツメ社、3,200円+税
【本書の特徴】
・全335ページで、前半はテキスト、後半は問題集の解説という構成。問題集は別冊綴じ。
・テキストは「各種実況図・解析図などの見方」「各種解析」「気象情報」「気象現象別の攻略法」から構成。
・問題集は過去問(第33回〜42回)の中からテーマ別に11問を厳選して収録。テーマは以下の11分野:南岸低気圧、日本海低気圧、二つ玉低気圧、寒冷低気圧、温帯低気圧とポーラーロウ、梅雨前線、台風、台風と寒冷低気圧、台風と秋雨前線、日本海側の大雪、太平洋側の大雪。
【感想】
・私は参考書④を2回ほどやってから本書を始めたところ、④との難易度のギャップが大きく(本書の方が難しい)呆然としました。そのお陰で本腰を入れて勉強するようになったという副次効果?がありました。
・④と比べるとテキストに気象現象別の解説があるのは良いのですが、複数の執筆者が手がけているため、構成や内容の深さに統一感がありません。また、問題の解説が貧弱で(場合によっては全く解説がないこともある)、かなり自分で解釈を補わなくてはならないのでストレスが溜まります。
・本書は、あくまでもコスパの良い過去問題集と割り切って使うと良いと思います(注)。
(注)東京堂出版の試験回別の「気象予報士試験 模範解答と解説」は1回の試験分で2,500円します。
⑤の11テーマが満遍なく出題されたとしても、「気象予報士試験 模範解答と解説」を6回分(=15,000円)購入することになるので割高です。
ちなみに本書は2017年10月に「読んでスッキリ! 解いてスッキリ! 気象予報士実技試験合格テキスト&問題集」となりました。
⑥その他
参考書④(最低2回)と⑤(最低3回)をこなすのでかなり時間を要しますが、余力があれば「気象予報士試験 模範解答と解説」(東京堂出版)、「気象予報士試験 速習テキスト 実技編」(オーム社)はあっても良いでしょう。
これ以上の書籍はあっても、試験対策上で有意義な知識を追加的に得られることはないと断言できます。
今回紹介した書籍も内容について満足いくものではありません。
気象現象の解説は事実の列挙がされているだけで、なぜそうなるのかというプロセスが解説されていません。そのため論理の飛躍が多く、読んでいると疑問がどんどん湧いてきます。また、問題解説については、問題の解き方の若干のヒントを与えてくれるだけです。
現状では、気象解析に必要な実力をつけてくれる書籍やサイトはありません。自身があらゆる機会を利用して知識を増やしていくしかありません。本サイトも解説記事を充実し、応援していきたいと思います。
追記(2019.5.7):
試験勉強時には参考書を何回読んでも分からないところが多数あり、ページのあちこちに「?」がつけられています。
試験に合格して1年半。毎日とはいかないまでも気象解析をしたり、ブログ作成のために調べ物をしたりしてきました。当時と比べると若干は引き出しが増えてきたのでしょう。
改めて参考書を読んでみると、あら不思議!以前は分からなかったことが、行間を埋める知識が身についたおかげで、「ああ、こういうことね」と理解できるようになってきました。そんなこともあり、昔の参考書を引っ張り出して知識の再確認をするようになりました。
先日、池袋の有名なつけ麺屋さんで参考書を読みながら食事を待っていました。食べ終わって会計をしようとしたら、店の主人が「勉強頑張ってね!」「森田さんみたいになるんでしょ?気象予報士だよね」と応援してくれました。
今さら「資格を持ってます」とも言えずに、「はい、頑張ります!」と答えてしまいました。
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修正:2017.12.28, 2019.5.7
今回のポイント
・実技試験対策の本は価格が高い上に、大型書店でも品揃えが少ない。
・本稿で紹介する事前準備用の3冊、演習用の2冊に十分取り組めば、合格レベルに達する可能性大。
・参考書がカバーしない知識や情報もたくさんあり、自ら補う必要がある。
・本稿で紹介する事前準備用の3冊、演習用の2冊に十分取り組めば、合格レベルに達する可能性大。
・参考書がカバーしない知識や情報もたくさんあり、自ら補う必要がある。
実技参考書の事情
気象予報士試験の参考書は、学科(一般知識)、学科(専門)、実技に分かれています。学科を一冊にまとめたり、学科と実技を一冊にしたものもあります。
それぞれの構成は、①教科書のように解説が主体のもの、②問題演習が主体のもの、③解説と問題演習を合わせたもの、があります。
気象予報士試験の実技対策の参考書は③のタイプが主流で、次のような特徴があります。
・概して古い書籍(出版されてから年数が経っている)が多い。
・実技試験に絞った書籍は数多くないが、大型書店でも在庫を置いていないことがある。
・価格が高い。
・実技試験に絞った書籍は数多くないが、大型書店でも在庫を置いていないことがある。
・価格が高い。
古い書籍のメリットは、現在では入手困難な過去問題が含まれていることです。しかしデメリットもあります。最大の問題点は内容が更新されておらず、予報業務の変化が反映されていないことです。
近年は激しい気象現象が増加しており、それに応じて防災情報の拡充が行われています。警報の発表基準なども見直されています。
売れている書籍は改定により最新化を図っていますが、良書であっても増刷されずに古い在庫のみが並んでいることもあります。もちろん、最近の気象事例が取り上げられていないというのも古い書籍の懸念点です。
都心の大型書店でも気象予報士試験の対策本の品揃えが豊富な店は少ないです。ジュンク堂書店各店、三省堂書店神保町本店はだいたい揃っています。それ以外の書店では、市販されている参考書を全て揃えている店はあまりないと思います。
実技試験では高層天気図を扱うため、実技対策本は大型でページ数も多くなります。部数が出ないせいか、価格は3千円以上もします。
こうした事情からアマゾンでポチすることが多いものの、満足できる内容でないと本当にがっかりしてしまいます。
一方で、どの書籍も著者が苦労して執筆されているのでしょうが、受験者目線で見ると本当に知りたいことが書かれた本は残念ながらありません。
具体的に不足しているのは次の4項目です。
・基礎事項の解説
・天気図解析の手法解説
・気象現象の解説
・過去事例の紹介
しかし、現実には市販の教材を使うしかありません。そこでお金と時間をムダにしないよう、私の経験から数冊を厳選してみました。これらの本に取り組めば合格の可能性は高まります(事前知識ゼロの私が、これで合格できました)。
書籍名に付した番号順にステップアップしていくのがオススメです。
まずは実技問題に取り組む前に、準備として読むと良い書籍から紹介します。
事前準備編
①「改定新版 わかりやすい天気図の話」
大塚龍蔵・著、クライム気象図書出版、800円+税
・等圧線と前線について、試験対策書(後述)には書かれていない内容が平易に説明されている。
・何と言っても、全74ページと薄くて読みやすいのが嬉しいです。初版は昭和39年、ラジオで気象通報を聞いて天気図を書く人の入門書として書かれた古典です。時代の流れにも色褪せない基本が書かれています。
②「わかりやすい天気図の話」
クライム気象図書出版、800円+税
・①と似た感じの書籍なので、①を熟読して相性が合えばこれも手に取ると良いでしょう。
③「ダイナミック図解 天気と気象のしくみパーフェクト事典」
平井信行・監修、ナツメ社、1、500円+税
・日本の四季の気候及び気象現象を豊富な写真と図解で解説しています。日々の天気予報や学習の過程で気になった現象を拾い読みすれば良い。頭から全ページ読む必要はありません。
・類似書は他にも出ているので、どれでも気に入ったものを一冊手元に置いておくと安心です。
続いては、問題演習の書籍です。
演習書
④「らくらく突破気象予報士かんたん合格テキスト 実技編」
気象予報士試験受験支援会・著、技術評論社、3,200円+税
【本書の特徴】
・ほぼB5サイズで全447ページという、手にした瞬間に圧倒されるボリューム。前半はテキストで、後半が7問の「テーマ別事例演習」という構成。
・テキストは「実技のための基礎知識」「天気図の読み方と着眼点」「合格のための試験対策と作図対策」から構成。
・テーマ別事例演習は過去問題ではなく、本書のオリジナル問題と思われる。
【感想】
・この本の使い方は、前半のテキストは無視して、後半に「第4章 テーマ別事例演習」と題して7問の事例が掲載されているので、こちらから着手しましょう。最初はできなくて当然です。分からないなりにひと通りやってみると、土地勘が湧いてきます。その時点で前半のテキストを事典代わりに読んだり、他の参考書などに当たってみると無駄がありません。
・本書を1ページ目から順番に読むのは避けるべきです。枚数は多いですが、ダラダラと書いてあるだけで事象のイメージが湧かないからです。途中で挫折します(→しました)。「らくらく突破」シリーズは日本語が悪文で、読んでいるとイライラしてきます。しかも文章が冗長で、もっとストレートに要点だけ書いて欲しいとしばしば思いました。
・この書籍の良い点は、事例演習の解説が懇切親切な点です。知っておかなければならない知識が豊富に詰まっているので、解説は何度も読み返した上で、自分なりにエッセンスを体系化して要点集を作ると有効です。
・本書の問題は基本レベルです。知っておかなければならないことが多く含まれますが、これだけでは今日の試験に合格することはできません(本書にもその免責が書かれています)。本書を2〜3回程度やったら、次の参考書⑤にステップアップしましょう。
⑤「’15−‘16年版 ひとりで学べる!気象予報士実技試験 完全攻略テキスト&問題集」
気象予報士試験対策研究会・編著、ナツメ社、3,200円+税
【本書の特徴】
・全335ページで、前半はテキスト、後半は問題集の解説という構成。問題集は別冊綴じ。
・テキストは「各種実況図・解析図などの見方」「各種解析」「気象情報」「気象現象別の攻略法」から構成。
・問題集は過去問(第33回〜42回)の中からテーマ別に11問を厳選して収録。テーマは以下の11分野:南岸低気圧、日本海低気圧、二つ玉低気圧、寒冷低気圧、温帯低気圧とポーラーロウ、梅雨前線、台風、台風と寒冷低気圧、台風と秋雨前線、日本海側の大雪、太平洋側の大雪。
【感想】
・私は参考書④を2回ほどやってから本書を始めたところ、④との難易度のギャップが大きく(本書の方が難しい)呆然としました。そのお陰で本腰を入れて勉強するようになったという副次効果?がありました。
・④と比べるとテキストに気象現象別の解説があるのは良いのですが、複数の執筆者が手がけているため、構成や内容の深さに統一感がありません。また、問題の解説が貧弱で(場合によっては全く解説がないこともある)、かなり自分で解釈を補わなくてはならないのでストレスが溜まります。
・本書は、あくまでもコスパの良い過去問題集と割り切って使うと良いと思います(注)。
(注)東京堂出版の試験回別の「気象予報士試験 模範解答と解説」は1回の試験分で2,500円します。
⑤の11テーマが満遍なく出題されたとしても、「気象予報士試験 模範解答と解説」を6回分(=15,000円)購入することになるので割高です。
ちなみに本書は2017年10月に「読んでスッキリ! 解いてスッキリ! 気象予報士実技試験合格テキスト&問題集」となりました。
⑥その他
参考書④(最低2回)と⑤(最低3回)をこなすのでかなり時間を要しますが、余力があれば「気象予報士試験 模範解答と解説」(東京堂出版)、「気象予報士試験 速習テキスト 実技編」(オーム社)はあっても良いでしょう。
これ以上の書籍はあっても、試験対策上で有意義な知識を追加的に得られることはないと断言できます。
最後に
今回紹介した書籍も内容について満足いくものではありません。
気象現象の解説は事実の列挙がされているだけで、なぜそうなるのかというプロセスが解説されていません。そのため論理の飛躍が多く、読んでいると疑問がどんどん湧いてきます。また、問題解説については、問題の解き方の若干のヒントを与えてくれるだけです。
現状では、気象解析に必要な実力をつけてくれる書籍やサイトはありません。自身があらゆる機会を利用して知識を増やしていくしかありません。本サイトも解説記事を充実し、応援していきたいと思います。
追記(2019.5.7):
試験勉強時には参考書を何回読んでも分からないところが多数あり、ページのあちこちに「?」がつけられています。
試験に合格して1年半。毎日とはいかないまでも気象解析をしたり、ブログ作成のために調べ物をしたりしてきました。当時と比べると若干は引き出しが増えてきたのでしょう。
改めて参考書を読んでみると、あら不思議!以前は分からなかったことが、行間を埋める知識が身についたおかげで、「ああ、こういうことね」と理解できるようになってきました。そんなこともあり、昔の参考書を引っ張り出して知識の再確認をするようになりました。
先日、池袋の有名なつけ麺屋さんで参考書を読みながら食事を待っていました。食べ終わって会計をしようとしたら、店の主人が「勉強頑張ってね!」「森田さんみたいになるんでしょ?気象予報士だよね」と応援してくれました。
今さら「資格を持ってます」とも言えずに、「はい、頑張ります!」と答えてしまいました。
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試験直前を意識した準備とは? [試験対策]
実技の勉強を始めてから、常に意識していたことがあります。それは「試験直前期になったら、何をしたら良いのか?」ということです。
試験がまだ数ヶ月先の間はひたすら過去問を解いていれば良いのですが、試験が近づいてくると学習が不十分なところが気になり始めるものです。そうなるとパニックで何も手につかなくなり、不安を抱えたまま試験に突入してしまいます。精神衛生上も良いはずがなく、戦う前から負けているようなものです。
ラスト・スパートの時期には新しいものには手を出さず、自分がこれまで犯してきたミスをしっかりと復習し再発を防止すること、そして大きな学習漏れのないよう全体を俯瞰しておくこと。そのためには自分だけの教材を早いうちから準備していかなくてはならないなと思っていたのです。
そこで実技対策の問題演習をするかたわらで、私がXデーを意識して行っていた準備をご紹介したいと思います。名付けて「三種の神器」です。
問題演習をしていて、自分の課題として痛感したこと4つありました。
①気象の知識が不足している
一つは、気象に関する知識が圧倒的に不足していることでした。問題の解答を見ると専門用語が並んでいるわけではなく、素人でも分かるようなことが書かれています。しかし、与えられた気象現象を読み解き、それが発生した要因や今後の展開予想に結びつけるということが全くできません。
自分なりに理由を分析すると、気象現象を引き起こす要因にどのようなものがあるのかを知らないことが原因と思われました。例えば「雨が降る」という気象現象は「雲ができるから」ですが、雲ができる要因としては「日射による地表加熱」「地形性」「低気圧」「前線付近」などが考えられます。
②気象のロジックを理解していない
次に、与えられた特定の現象に対して、考えられる要因のどれが最も当てはまるかを結びつけるロジックを知らないということでした。先の例で続けると、「紀伊半島で雨が降っている」という現象に対して下層の暖湿気が入り、紀伊山地を上昇しているからだ、すなわち地形性による降雨だ」となります。
問題集というのはケーススタディですから、解説には素っ気なく「この現象に対してはこれが原因である」と書いてあるだけです。途中のロジックはほとんどすっ飛ばされています。ましてや「一般にこのような現象を引き起こす要因としては①・・・、②・・・、③・・・が考えられる。本事例では・・・という条件が解析されるので、②を要因と考えるのが妥当である。」のような説明はありません。
③気象関連図を読めない
三つ目は、気象関連図を読み解く経験の不足です。高層天気図、エマグラム、ウィンドプロファイラー、各種鉛直断面図、いろんな等値線など多種多様なツールがあり、日常的に使われています。しかし、そもそもこうした気象図の読み方を自分が納得できるレベルで解説してある書籍はありませんでした。また読み取る練習をしたいと思ってもエマグラムやウィンドプロファイラー、等値線などは入手困難です。どんな気象現象の時にどんな気象図になるのかを知りたいと思っても、そのようなケーススタディは提供されていませんでしたし、自分で過去データを整備する時間的余裕もありませんでした。作図の問題集もあればたくさん解いてみたかったところです。
④記憶力の衰えとの戦い
最後は、自分の記憶容量の乏しさです。歳を重ねると記憶容量は小さくなっていくようです。新しいことを一つ覚えると、少し前に覚えた別のことを忘れているのです。これは気象知識以前の話で、一度やった間違いを再び犯すというレベルの低い話です。
掛け算、割り算を間違える、等圧線を読み間違える、問題集を解いていても2周目に入ると、「こんな問題、解いたっけ?」と前回やったことをすっかり忘れている。したがって、以前と同じ間違いを繰り返す。単位を間違える、穴埋め問題で不必要な語尾をつけてしまうなどは朝飯前で(?)、「どうして自分はこうも学ばない人間なんだ?」と自己嫌悪に陥りかけました。
以下に述べる対策は主に④についてのものです。記憶容量の問題もありますが、問題を何度も解いていくと気象用語に慣れてくるので、単純な忘却は減っていったように思います。
最初からどのような資料を作れば良いか明確なイメージがあったわけではなく、色々と試しながら試験の傾向に合うもの、自分の学習に合うものに調整していきました。
自分が単純ミスを重ねてしまうことに対しては、どのようなミスを犯す傾向があるのかを分析し、問題を解くときにはそのような単純ミスを防止できるようなプロトコル(良いクセ)をつけることにしました。
色々と試行錯誤して、自分なりに落ち着いた3つの手段、名付けて「三種の神器」を紹介したいと思います。
問題演習を通して自分の理解が不足していることが判明した分野について、参考書やウェブなどを参考にして解説文をワープロで作成。そして、重要と思われる箇所を穴埋めにしたもの(いわゆる「虫食い」です)を作りました。
私は初回受験だったので、実技だけでなく学科についても「寒冷低気圧」、「防災事項」、「台風」、「大気水象」、「平均図と偏差図」など、自分でテーマ名をつけていきました。最終的には40ページほどになったものを「チェックリスト」と名付け、起きたてのまだやる気がある時間帯などにひと通り目を通しました。
ワープロで作成しているので、学習を重ねる過程でチェックリストに不足が見つかればその都度補強していきました。試験直前まで作成を続けていて作成時間はそれなりに取られましたが、作成する過程で色々調べたり、どこを穴埋めにするかで重要ポイントを抽出するので、作成過程それ自体が学習にもなりました。
定義を丸暗記することが目的ではなく、穴埋めのところを頭に叩き込むことが大切なので、このチェックリストは気象ロジックや重要なキーワードを覚えるのに大変有効でした。
こちらは「ポーラーロー」についてまとめたものです。
ポーラー・ロウ.pdf
自分ひとりが使うものなので、素っ気ない作りです。合格者の体験記を読むと、立派なサブノートを作った話が載っていたりします。しかし、自分は手書きが苦手なのと大雑把な性格なので、サクッと作ってすぐに修正もできるこのやり方が合っていました。
気象予報士試験にも、試験にはつきものの暗記ものがあります。ひと通り学習すると何を覚えなくてはならないかが分かってきました。
そこで、暗記するものは参考書やネットなどから印刷して、一冊のクリアファイル(百円ショップで購入して)にまとめました。一冊にまとめることで探す手間も省けるし、その一冊に全て収まっているという安心感を得ることができました。
そして、ファイリングした暗記項目を俯瞰できるように目次を作りました。毎日確認するので「日々の日課」と名付けてあります。
日々の日課.pdf
私は学科2科目も同時受験だったので、気象現象や法規も頭文字や略称にして暗記しました。
クリアファイルの最初のページにこの目次を入れて、その後に順に必要な資料(国際式天気記号や風の強さなど)をファイリングしました。
この準備は試験3週間前に完了し、試験日まで毎日繰り返して記憶を確実なものにしていきました。
【ポイント】
学習中に暗記ものが出てきたら、すぐその場で暗記するのが大事だと思います。例えば、演習をしていて風速の表現を知らなかったとします。風速表現の解説ページをコピーして覚えたら、そのコピーをファイリングしておきます。ひと通りの学習を終えると覚えなくてはならないコピーが溜まっていますから、それを整理して、とにかく回数多く見直すことです。
早くから覚えると忘れるから、本番直前に覚えるという人もいます。しかし本番直前には色々とやらなければいけないことが出てくるかもしれません。覚える量が溜まってしまうのも大変です。その都度覚えていって、記憶を定期的にリフレッシュしていくことが良いと思います。
問題演習は、問題を解いてからが本番です。初めて挑戦した問題は解けなくても構いません。知らなかったことは何か、なぜ間違えたのか。それを分析して、同じ間違えをしないように徹底的に頭に叩き込むことが演習の目的です。
・・・と書くと難しそうですが、私のやったことはシンプルです。まず正解を赤字で書き写した後、自分がなぜ正解に至らなかったのかを分析します。そして改善箇所を青字で書き込みます。この青字部分を見直せば、自分だけの傾向と対策となります。
ただしこれは時間を要する作業です。75分間の演習を終えた後、この見直しに3時間ぐらいはかけていました。
こうして出来上がった自分なりの添削結果をクリアファイルに整理し、随時見直しをしました。これを何回か繰り返していけば自分が間違えるクセが分かってくるので、問題を解く時の流儀も変わってきます。
例えば、穴埋め問題で鉛直流の速度を問われている時、単位をつけるのか、符号はどうなのかということが気になり、必ず問題文をチェックするようになりました。
例えは悪いですが、公衆トイレに入って用を足した後で紙が切れていることに気づいたとします。次回からは用をたす前に、紙が十分あるかを確認するようになりますよね。こうした流儀を身につけていくことが大事です。
本番直前では添削ファイルをじっくり見直す必要はなくなっていましたが、これをパラパラとめくることで精神安定剤にはなったように思います。
参考書には問題の解答用紙が添付されていないものが大半です。私は自分で解答用紙を作成して、これに回答していました。1回分を作成するのに30〜40分ぐらいかかりましたが、同じ問題で3〜4回練習することを考えると時間効率は上がると思います。
【ポイント】
自分の経験上、同じ問題を最低で3回は繰り返す必要があると思います。1回目は気象知識がまったくない状態ですので、演習を通して知識と気象ロジックを整理していきます。2回目では、1回目にスルーしてしまっていた細かいところに気づいたり、1回目で理解したと思っていたことが誤解だと分かったりします。3回目になって初めて、自分の頭で考えながら問題を解くことができるようになります。
三種の神器はいずれもクリアファイルにファイリングし、カラーボックスに収納しました。その中に入っているものをしっかりと治めれば、「やるべきことはやったと思えるんだ」と自分に言い聞かせました。試験日にも精神安定剤として持ち込みました(実際に開くことはありませんでした)。
さて、ここまで読まれた方は気がつかれたかもしれませんが、最初にあげた4つの課題のうち、①気象の知識が不足している、②気象のロジックを理解していない、③気象関連図を読めない、の3つの対策がありません。
自分なりの資料を作り上げたかったのですが、十分に着手する前に試験日を迎えてしまいました。引き続き作成していき、このサイトで公開したいと思います。
なお、①については高校参考書の「地学図表」「地学図録」を読んだりしましたが、十分ではありませんでした。③についてはH社の短期講習に参加することである程度のレベルには達したかなと思います。
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試験がまだ数ヶ月先の間はひたすら過去問を解いていれば良いのですが、試験が近づいてくると学習が不十分なところが気になり始めるものです。そうなるとパニックで何も手につかなくなり、不安を抱えたまま試験に突入してしまいます。精神衛生上も良いはずがなく、戦う前から負けているようなものです。
ラスト・スパートの時期には新しいものには手を出さず、自分がこれまで犯してきたミスをしっかりと復習し再発を防止すること、そして大きな学習漏れのないよう全体を俯瞰しておくこと。そのためには自分だけの教材を早いうちから準備していかなくてはならないなと思っていたのです。
そこで実技対策の問題演習をするかたわらで、私がXデーを意識して行っていた準備をご紹介したいと思います。名付けて「三種の神器」です。
自分の最大の懸念事項(読み飛ばしても構いません)
問題演習をしていて、自分の課題として痛感したこと4つありました。
①気象の知識が不足している
一つは、気象に関する知識が圧倒的に不足していることでした。問題の解答を見ると専門用語が並んでいるわけではなく、素人でも分かるようなことが書かれています。しかし、与えられた気象現象を読み解き、それが発生した要因や今後の展開予想に結びつけるということが全くできません。
自分なりに理由を分析すると、気象現象を引き起こす要因にどのようなものがあるのかを知らないことが原因と思われました。例えば「雨が降る」という気象現象は「雲ができるから」ですが、雲ができる要因としては「日射による地表加熱」「地形性」「低気圧」「前線付近」などが考えられます。
②気象のロジックを理解していない
次に、与えられた特定の現象に対して、考えられる要因のどれが最も当てはまるかを結びつけるロジックを知らないということでした。先の例で続けると、「紀伊半島で雨が降っている」という現象に対して下層の暖湿気が入り、紀伊山地を上昇しているからだ、すなわち地形性による降雨だ」となります。
問題集というのはケーススタディですから、解説には素っ気なく「この現象に対してはこれが原因である」と書いてあるだけです。途中のロジックはほとんどすっ飛ばされています。ましてや「一般にこのような現象を引き起こす要因としては①・・・、②・・・、③・・・が考えられる。本事例では・・・という条件が解析されるので、②を要因と考えるのが妥当である。」のような説明はありません。
③気象関連図を読めない
三つ目は、気象関連図を読み解く経験の不足です。高層天気図、エマグラム、ウィンドプロファイラー、各種鉛直断面図、いろんな等値線など多種多様なツールがあり、日常的に使われています。しかし、そもそもこうした気象図の読み方を自分が納得できるレベルで解説してある書籍はありませんでした。また読み取る練習をしたいと思ってもエマグラムやウィンドプロファイラー、等値線などは入手困難です。どんな気象現象の時にどんな気象図になるのかを知りたいと思っても、そのようなケーススタディは提供されていませんでしたし、自分で過去データを整備する時間的余裕もありませんでした。作図の問題集もあればたくさん解いてみたかったところです。
④記憶力の衰えとの戦い
最後は、自分の記憶容量の乏しさです。歳を重ねると記憶容量は小さくなっていくようです。新しいことを一つ覚えると、少し前に覚えた別のことを忘れているのです。これは気象知識以前の話で、一度やった間違いを再び犯すというレベルの低い話です。
掛け算、割り算を間違える、等圧線を読み間違える、問題集を解いていても2周目に入ると、「こんな問題、解いたっけ?」と前回やったことをすっかり忘れている。したがって、以前と同じ間違いを繰り返す。単位を間違える、穴埋め問題で不必要な語尾をつけてしまうなどは朝飯前で(?)、「どうして自分はこうも学ばない人間なんだ?」と自己嫌悪に陥りかけました。
以下に述べる対策は主に④についてのものです。記憶容量の問題もありますが、問題を何度も解いていくと気象用語に慣れてくるので、単純な忘却は減っていったように思います。
試行錯誤を重ねる(読み飛ばしても構いません)
最初からどのような資料を作れば良いか明確なイメージがあったわけではなく、色々と試しながら試験の傾向に合うもの、自分の学習に合うものに調整していきました。
自分が単純ミスを重ねてしまうことに対しては、どのようなミスを犯す傾向があるのかを分析し、問題を解くときにはそのような単純ミスを防止できるようなプロトコル(良いクセ)をつけることにしました。
色々と試行錯誤して、自分なりに落ち着いた3つの手段、名付けて「三種の神器」を紹介したいと思います。
その1 「チェックリスト」
問題演習を通して自分の理解が不足していることが判明した分野について、参考書やウェブなどを参考にして解説文をワープロで作成。そして、重要と思われる箇所を穴埋めにしたもの(いわゆる「虫食い」です)を作りました。
私は初回受験だったので、実技だけでなく学科についても「寒冷低気圧」、「防災事項」、「台風」、「大気水象」、「平均図と偏差図」など、自分でテーマ名をつけていきました。最終的には40ページほどになったものを「チェックリスト」と名付け、起きたてのまだやる気がある時間帯などにひと通り目を通しました。
ワープロで作成しているので、学習を重ねる過程でチェックリストに不足が見つかればその都度補強していきました。試験直前まで作成を続けていて作成時間はそれなりに取られましたが、作成する過程で色々調べたり、どこを穴埋めにするかで重要ポイントを抽出するので、作成過程それ自体が学習にもなりました。
定義を丸暗記することが目的ではなく、穴埋めのところを頭に叩き込むことが大切なので、このチェックリストは気象ロジックや重要なキーワードを覚えるのに大変有効でした。
こちらは「ポーラーロー」についてまとめたものです。
ポーラー・ロウ.pdf
自分ひとりが使うものなので、素っ気ない作りです。合格者の体験記を読むと、立派なサブノートを作った話が載っていたりします。しかし、自分は手書きが苦手なのと大雑把な性格なので、サクッと作ってすぐに修正もできるこのやり方が合っていました。
その2 「暗記物一覧」
気象予報士試験にも、試験にはつきものの暗記ものがあります。ひと通り学習すると何を覚えなくてはならないかが分かってきました。
そこで、暗記するものは参考書やネットなどから印刷して、一冊のクリアファイル(百円ショップで購入して)にまとめました。一冊にまとめることで探す手間も省けるし、その一冊に全て収まっているという安心感を得ることができました。
そして、ファイリングした暗記項目を俯瞰できるように目次を作りました。毎日確認するので「日々の日課」と名付けてあります。
日々の日課.pdf
私は学科2科目も同時受験だったので、気象現象や法規も頭文字や略称にして暗記しました。
クリアファイルの最初のページにこの目次を入れて、その後に順に必要な資料(国際式天気記号や風の強さなど)をファイリングしました。
この準備は試験3週間前に完了し、試験日まで毎日繰り返して記憶を確実なものにしていきました。
【ポイント】
学習中に暗記ものが出てきたら、すぐその場で暗記するのが大事だと思います。例えば、演習をしていて風速の表現を知らなかったとします。風速表現の解説ページをコピーして覚えたら、そのコピーをファイリングしておきます。ひと通りの学習を終えると覚えなくてはならないコピーが溜まっていますから、それを整理して、とにかく回数多く見直すことです。
早くから覚えると忘れるから、本番直前に覚えるという人もいます。しかし本番直前には色々とやらなければいけないことが出てくるかもしれません。覚える量が溜まってしまうのも大変です。その都度覚えていって、記憶を定期的にリフレッシュしていくことが良いと思います。
その3 「添削入り解答用紙」
問題演習は、問題を解いてからが本番です。初めて挑戦した問題は解けなくても構いません。知らなかったことは何か、なぜ間違えたのか。それを分析して、同じ間違えをしないように徹底的に頭に叩き込むことが演習の目的です。
・・・と書くと難しそうですが、私のやったことはシンプルです。まず正解を赤字で書き写した後、自分がなぜ正解に至らなかったのかを分析します。そして改善箇所を青字で書き込みます。この青字部分を見直せば、自分だけの傾向と対策となります。
ただしこれは時間を要する作業です。75分間の演習を終えた後、この見直しに3時間ぐらいはかけていました。
こうして出来上がった自分なりの添削結果をクリアファイルに整理し、随時見直しをしました。これを何回か繰り返していけば自分が間違えるクセが分かってくるので、問題を解く時の流儀も変わってきます。
例えば、穴埋め問題で鉛直流の速度を問われている時、単位をつけるのか、符号はどうなのかということが気になり、必ず問題文をチェックするようになりました。
例えは悪いですが、公衆トイレに入って用を足した後で紙が切れていることに気づいたとします。次回からは用をたす前に、紙が十分あるかを確認するようになりますよね。こうした流儀を身につけていくことが大事です。
本番直前では添削ファイルをじっくり見直す必要はなくなっていましたが、これをパラパラとめくることで精神安定剤にはなったように思います。
参考書には問題の解答用紙が添付されていないものが大半です。私は自分で解答用紙を作成して、これに回答していました。1回分を作成するのに30〜40分ぐらいかかりましたが、同じ問題で3〜4回練習することを考えると時間効率は上がると思います。
【ポイント】
自分の経験上、同じ問題を最低で3回は繰り返す必要があると思います。1回目は気象知識がまったくない状態ですので、演習を通して知識と気象ロジックを整理していきます。2回目では、1回目にスルーしてしまっていた細かいところに気づいたり、1回目で理解したと思っていたことが誤解だと分かったりします。3回目になって初めて、自分の頭で考えながら問題を解くことができるようになります。
最後に
三種の神器はいずれもクリアファイルにファイリングし、カラーボックスに収納しました。その中に入っているものをしっかりと治めれば、「やるべきことはやったと思えるんだ」と自分に言い聞かせました。試験日にも精神安定剤として持ち込みました(実際に開くことはありませんでした)。
さて、ここまで読まれた方は気がつかれたかもしれませんが、最初にあげた4つの課題のうち、①気象の知識が不足している、②気象のロジックを理解していない、③気象関連図を読めない、の3つの対策がありません。
自分なりの資料を作り上げたかったのですが、十分に着手する前に試験日を迎えてしまいました。引き続き作成していき、このサイトで公開したいと思います。
なお、①については高校参考書の「地学図表」「地学図録」を読んだりしましたが、十分ではありませんでした。③についてはH社の短期講習に参加することである程度のレベルには達したかなと思います。
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気象情報を時系列で追ってみた [気象情報]
気象現象の接近、通過にともない、気象情報は更新されていきます。今回はその流れを追っかけてみたいと思います。
「気象情報のことを知ろう」に書いた内容を再掲しておきます。
気象情報が発表されるタイミングは目的に応じて決まっていて、次の4つです。
①警報や注意報に先立つ注意の喚起
現象が発生する24時間程度前に発表されるもので、顕著現象の発生に対する注意を呼びかけるものです。
②現象の経過、予想、防災上の留意点等の解説
警報や注意報がすでに発表されている時に追加で発表されるもので、現象の経過、予想、防災上の留意点等を解説するものです。これには「竜巻注意情報」「土砂災害警戒情報」も含まれることから分かるように、「警報」「注意報」「気象情報」は一体のものとして発表されています。
③記録的な短時間の大雨を観測したときの、より一層の警戒呼びかけ
数年に一度しか起こらないような記録的な短時間の大雨を観測したときに、より一層の警戒を呼びかけるものです。「記録的短時間大雨情報」がこれに該当します。
④社会的に影響の大きな天候についての解説など
社会的に影響の大きな天候について注意を呼びかけたり、解説したりするものです。長雨や少雨、低温などの気象情報が該当します。
では、2017年(平成29年)の台風18号で、大分県に発表された気象情報で実例を見てみます。
台風18号は9月17日に鹿児島県に上陸したのを皮切りに高知、兵庫、北海道と次々に再上陸し、日本の本土4島に上陸した史上初の台風となりました。
大分県では台風が17日に最接近し、大分市内を流れる大野川と、佐伯市内を流れる番匠川支流の井崎川が氾濫しました。このため、佐伯、津久見、臼杵の3市は、全域の計約5万7千世帯12万9千人に避難指示を出しました。
出典:日テレニュース24
こちらはテレビ各局でも放映された番匠川の河川ライブ画像です。
普段の番匠川と比べてみると水嵩の増え方が一目瞭然です。
気象情報は本文を含めると長文になるので、見出しのみを掲載します。
台風の上陸を遡ること3日前、14日の九州北部地方気象情報第1号で、台風接近による天候悪化の可能性が伝えられました。
翌15日、九州北部地方には第2号及び第3号が発表されました。第2号からは風の予想、波の予想、雨の予想が追加にされました。
第4号の最後に、「次の『台風18号に関する九州北部地方(山口県を含む)気象情報』は16日16時30分頃発表する予定です。」とありました。
大分県内では16日、大雨警報が発表されました。こちらは大きな被害の出た佐伯市の警報と注意報の発表履歴の一部です。
出典:tenki.jp
大雨については16日11時10分に警報が発表され、18日3時15分まで更新されました。またその前後の時間帯に大雨注意報が出されています。
大雨警報が発表されたからでしょうか、予定されていた16時10分よりも5時間ほど早く、気象情報が更新されました。
16日の地方気象情報は第7号まで発表されました。波の予想や雨の予想が若干見直しされていますが、内容に大きな差分はありません。
さて、台風が上陸した17日については、大分地方気象台発表の府県気象情報を見ていきます。
大分県では14日の16時16分から17日の5時25分にかけて、「台風18号に関する大分県気象情報」の第1号から第8号までが発表されています。
これに続けて6時3分、第9号が発表されています。これが珍しいのはPDF版のみで提供されていることです。
既に1時間に約90ミリの猛烈な雨が降っており、土砂災害に対する厳重な警戒が呼びかけられています。
それから間もなく、竜巻注意情報が発表されました。「竜巻注意情報」は「雷注意報」を補足する情報で、「竜巻発生確度ナウキャスト」で発生確度2が現れた地域に発表されます。有効期間は発表から約1時間です。
竜巻注意報はこの後、10時47分発表の第6号まで、ほぼ1時間間隔で更新されました。
大分県竜巻注意情報は12時00分まで有効の第6号でいったん打ち切られ、13時51分に発表された第7号が最終報となりました。
入れ替わり立ち替わりになりますが、竜巻注意報が出されている最中に記録的短時間大雨情報が発表になっています。
記録的短時間大雨情報は「記録的な短時間の大雨を観測したときの、より一層の警戒呼びかけ」の役割があります。大分県では17日、記録的短時間大雨情報が4回発表されました。「数年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨」が1日に4回も解析されるのは珍しいことです。
11時半頃、台風が鹿児島県に上陸します。
この後も、PDF版の気象情報の第15号と16号は、佐伯市、臼杵市、竹田市などにおける総降水量を伝え、土砂災害、低地の浸水、河川の増水や氾濫に対する厳重な警戒を呼びかけています。
15時を過ぎると大雨の終焉を予感させる気象情報が発表になります。
この頃になると気象台の方もだいぶ疲労が溜まってきていたのでしょうか、「17日15時00分まで」とすべきところを「17日15時00時まで」と誤記されています。いやぁ、本当にお疲れさまです。
とは言え、15時47分には4回目の記録的短時間大雨情報が出されています。また、土砂災害警戒情報や洪水予報は大雨のピークを過ぎる頃から頻繁に発表されていくので、災害に対する警戒はいよいよ本番という感じです。
以上の気象情報、竜巻注意情報、記録的短時間大雨情報、土砂災害警戒情報の発表時刻を一覧にまとめてみました。また、番匠川の洪水予報も参考に掲載しました。どのタイミングでどのような情報が発表されるのか、お役に立てれば幸いです。
台風18号関連(大分県).pdf
最後に、大雨のピーク頃と思われる時刻(15時10分)の解析図を掲載しておきます。こうした過去データも容易に入手できるようになると助かります。
降水ナウキャスト:
土砂災害警戒メッシュ判定情報:
洪水警報の危険度分布:
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「気象情報のことを知ろう」に書いた内容を再掲しておきます。
どんな時に発表されるの?
気象情報が発表されるタイミングは目的に応じて決まっていて、次の4つです。
①警報や注意報に先立つ注意の喚起
現象が発生する24時間程度前に発表されるもので、顕著現象の発生に対する注意を呼びかけるものです。
②現象の経過、予想、防災上の留意点等の解説
警報や注意報がすでに発表されている時に追加で発表されるもので、現象の経過、予想、防災上の留意点等を解説するものです。これには「竜巻注意情報」「土砂災害警戒情報」も含まれることから分かるように、「警報」「注意報」「気象情報」は一体のものとして発表されています。
③記録的な短時間の大雨を観測したときの、より一層の警戒呼びかけ
数年に一度しか起こらないような記録的な短時間の大雨を観測したときに、より一層の警戒を呼びかけるものです。「記録的短時間大雨情報」がこれに該当します。
④社会的に影響の大きな天候についての解説など
社会的に影響の大きな天候について注意を呼びかけたり、解説したりするものです。長雨や少雨、低温などの気象情報が該当します。
では、2017年(平成29年)の台風18号で、大分県に発表された気象情報で実例を見てみます。
2019年 台風18号
台風18号は9月17日に鹿児島県に上陸したのを皮切りに高知、兵庫、北海道と次々に再上陸し、日本の本土4島に上陸した史上初の台風となりました。
大分県では台風が17日に最接近し、大分市内を流れる大野川と、佐伯市内を流れる番匠川支流の井崎川が氾濫しました。このため、佐伯、津久見、臼杵の3市は、全域の計約5万7千世帯12万9千人に避難指示を出しました。
出典:日テレニュース24
こちらはテレビ各局でも放映された番匠川の河川ライブ画像です。
普段の番匠川と比べてみると水嵩の増え方が一目瞭然です。
①警報や注意報に先立つ注意の喚起
気象情報は本文を含めると長文になるので、見出しのみを掲載します。
台風の上陸を遡ること3日前、14日の九州北部地方気象情報第1号で、台風接近による天候悪化の可能性が伝えられました。
台風18号に関する九州北部地方気象情報 第1号
9月14日16時02分 福岡管区気象台発表
(見出し)
非常に強い台風第18号の接近に伴い、九州北部地方では16日午後から17日にかけて大荒れの天気となるおそれがあります。
9月14日16時02分 福岡管区気象台発表
(見出し)
非常に強い台風第18号の接近に伴い、九州北部地方では16日午後から17日にかけて大荒れの天気となるおそれがあります。
翌15日、九州北部地方には第2号及び第3号が発表されました。第2号からは風の予想、波の予想、雨の予想が追加にされました。
台風18号に関する九州北部地方気象情報 第4号
9月16日05時43分 福岡管区気象台発表
(見出し)
台風18号は、大型で非常に強い勢力を維持したまま17日には九州にかなり接近し上陸するおそれがあります。暴風やうねりを伴った高波、土砂災害、低地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒してください。
9月16日05時43分 福岡管区気象台発表
(見出し)
台風18号は、大型で非常に強い勢力を維持したまま17日には九州にかなり接近し上陸するおそれがあります。暴風やうねりを伴った高波、土砂災害、低地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒してください。
第4号の最後に、「次の『台風18号に関する九州北部地方(山口県を含む)気象情報』は16日16時30分頃発表する予定です。」とありました。
警報の発表
大分県内では16日、大雨警報が発表されました。こちらは大きな被害の出た佐伯市の警報と注意報の発表履歴の一部です。
出典:tenki.jp
大雨については16日11時10分に警報が発表され、18日3時15分まで更新されました。またその前後の時間帯に大雨注意報が出されています。
②現象の経過、予想、防災上の留意点等の解説
③記録的な短時間の大雨を観測したときの、より一層の警戒呼びかけ
③記録的な短時間の大雨を観測したときの、より一層の警戒呼びかけ
大雨警報が発表されたからでしょうか、予定されていた16時10分よりも5時間ほど早く、気象情報が更新されました。
台風18号に関する九州北部地方気象情報 第5号
9月16日11時20分 福岡管区気象台発表
(見出し)
大型で強い台風18号は、勢力を維持したまま17日昼前から昼過ぎにかけて最も接近し、九州に上陸する見込みです。暴風やうねりを伴った高波、土砂災害、低地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒して下さい。
9月16日11時20分 福岡管区気象台発表
(見出し)
大型で強い台風18号は、勢力を維持したまま17日昼前から昼過ぎにかけて最も接近し、九州に上陸する見込みです。暴風やうねりを伴った高波、土砂災害、低地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒して下さい。
16日の地方気象情報は第7号まで発表されました。波の予想や雨の予想が若干見直しされていますが、内容に大きな差分はありません。
さて、台風が上陸した17日については、大分地方気象台発表の府県気象情報を見ていきます。
大分県では14日の16時16分から17日の5時25分にかけて、「台風18号に関する大分県気象情報」の第1号から第8号までが発表されています。
これに続けて6時3分、第9号が発表されています。これが珍しいのはPDF版のみで提供されていることです。
既に1時間に約90ミリの猛烈な雨が降っており、土砂災害に対する厳重な警戒が呼びかけられています。
それから間もなく、竜巻注意情報が発表されました。「竜巻注意情報」は「雷注意報」を補足する情報で、「竜巻発生確度ナウキャスト」で発生確度2が現れた地域に発表されます。有効期間は発表から約1時間です。
大分県竜巻注意情報 第1号
9月17日06時56分 大分地方気象台発表
大分県南部は、竜巻などの激しい突風が発生しやすい気象状況になっています。空の様子に注意してください。雷や急な風の変化など積乱雲が近づく兆しがある場合には、頑丈な建物内に移動するなど、安全確保に努めてください。落雷、ひょう、急な強い雨にも注意してください。
この情報は、17日08時10分まで有効です。
9月17日06時56分 大分地方気象台発表
大分県南部は、竜巻などの激しい突風が発生しやすい気象状況になっています。空の様子に注意してください。雷や急な風の変化など積乱雲が近づく兆しがある場合には、頑丈な建物内に移動するなど、安全確保に努めてください。落雷、ひょう、急な強い雨にも注意してください。
この情報は、17日08時10分まで有効です。
竜巻注意報はこの後、10時47分発表の第6号まで、ほぼ1時間間隔で更新されました。
大分県竜巻注意情報は12時00分まで有効の第6号でいったん打ち切られ、13時51分に発表された第7号が最終報となりました。
入れ替わり立ち替わりになりますが、竜巻注意報が出されている最中に記録的短時間大雨情報が発表になっています。
大分県記録的短時間大雨情報 第1号
9月17日09時07分 大分地方気象台発表
(見出し)
9時大分県で記録的短時間大雨
佐伯市佐伯付近で約110ミリ
佐伯市鶴見付近で約110ミリ
佐伯市米水津付近で約110ミリ
9月17日09時07分 大分地方気象台発表
(見出し)
9時大分県で記録的短時間大雨
佐伯市佐伯付近で約110ミリ
佐伯市鶴見付近で約110ミリ
佐伯市米水津付近で約110ミリ
記録的短時間大雨情報は「記録的な短時間の大雨を観測したときの、より一層の警戒呼びかけ」の役割があります。大分県では17日、記録的短時間大雨情報が4回発表されました。「数年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨」が1日に4回も解析されるのは珍しいことです。
11時半頃、台風が鹿児島県に上陸します。
台風18号に関する大分県気象情報 第14号
9月17日11時44分 大分地方気象台発表
(見出し)
台風第18号の中心は、17日11時半頃に、鹿児島県南九州市付近に上陸しました。
9月17日11時44分 大分地方気象台発表
(見出し)
台風第18号の中心は、17日11時半頃に、鹿児島県南九州市付近に上陸しました。
この後も、PDF版の気象情報の第15号と16号は、佐伯市、臼杵市、竹田市などにおける総降水量を伝え、土砂災害、低地の浸水、河川の増水や氾濫に対する厳重な警戒を呼びかけています。
15時を過ぎると大雨の終焉を予感させる気象情報が発表になります。
台風18号に関する大分県気象情報 第17号
9月17日15時32分 大分地方気象台発表
(見出し)
解析雨量では、17日15時00時までの1時間に、津久見市付近で約120ミリ、佐伯市付近では約110ミリの記録的な大雨となっており、猛烈な雨が降り続いています。中部や南部を中心に、今後1時間程度、大雨が続く見込みです。この地域の方は厳重に警戒してください。
9月17日15時32分 大分地方気象台発表
(見出し)
解析雨量では、17日15時00時までの1時間に、津久見市付近で約120ミリ、佐伯市付近では約110ミリの記録的な大雨となっており、猛烈な雨が降り続いています。中部や南部を中心に、今後1時間程度、大雨が続く見込みです。この地域の方は厳重に警戒してください。
この頃になると気象台の方もだいぶ疲労が溜まってきていたのでしょうか、「17日15時00分まで」とすべきところを「17日15時00時まで」と誤記されています。いやぁ、本当にお疲れさまです。
とは言え、15時47分には4回目の記録的短時間大雨情報が出されています。また、土砂災害警戒情報や洪水予報は大雨のピークを過ぎる頃から頻繁に発表されていくので、災害に対する警戒はいよいよ本番という感じです。
台風18号に関する大分県気象情報 第18号
9月17日17時10分 福岡管区気象台発表
(見出し)
大型の台風第18号は、大分県から遠ざかりつつあります。暴風やうねりを伴った高波、土砂災害、低地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒してください。
9月17日17時10分 福岡管区気象台発表
(見出し)
大型の台風第18号は、大分県から遠ざかりつつあります。暴風やうねりを伴った高波、土砂災害、低地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒してください。
以上の気象情報、竜巻注意情報、記録的短時間大雨情報、土砂災害警戒情報の発表時刻を一覧にまとめてみました。また、番匠川の洪水予報も参考に掲載しました。どのタイミングでどのような情報が発表されるのか、お役に立てれば幸いです。
台風18号関連(大分県).pdf
(参考)
最後に、大雨のピーク頃と思われる時刻(15時10分)の解析図を掲載しておきます。こうした過去データも容易に入手できるようになると助かります。
降水ナウキャスト:
土砂災害警戒メッシュ判定情報:
洪水警報の危険度分布:
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気象情報のことを知ろう [知識]
気象情報って地味な存在で、直接目にする機会は少ない気がします。テレビやラジオの天気予報の元になっていて、間接的には触れているのですが・・・。「気象庁では注意を呼びかけています」というアレです。
実技試験では「天気図を見て気象情報を作成しなさい」なんて問題は出されません。が、過去には気象情報が虫食いになっていて、穴埋めをする出題がありました。
気象情報にはパターンがあるので、典型例から気象現象とその災害や重要なキーフレーズを学びましょう。
気象情報は対象となる地域、対象となる現象によって分類されます。また、その目的によって発表されるタイミングが異なります。
以下でそれぞれを見ていきましょう。
気象情報は対象とするエリアに応じて、全国を対象とする「全般気象情報」(気象庁予報部)、地方予報区(全国に11)を対象とする「地方気象情報」(管区気象台や沖縄気象台など)、都道府県を対象とする「府県気象情報」(地方気象台)があります(()内は発表元です)。
「気象情報」という名称はつかないものの、「台風情報」「潮位情報」も気象情報のサイトで発表されています。また、「記録的短時間大雨情報」「竜巻注意情報」「土砂災害警戒情報」も気象情報の一つとされています。
さて、こちらは気象庁の組織図です。
予報部というのは本庁の内部部局です。
出典:人事院資料
管区気象台は地域を統括する地方支分部局として、広域的な地域を管轄しています。東京、札幌、仙台、大阪、福岡の5台ですが、沖縄気象台も管区気象台と同列に並んでいます。
地方気象台は50あります。なぜ47以上あるかというと、例えば北海道には6気象台があります。一方で、東北地方は6県あるのに5気象台しかないというように、1都道府県=1地方気象台となっていないからです。
気象情報が発表される現象には大雨、大雪、暴風、突風、暴風雪、高波、低気圧、雷、降ひょうなどがあり、多くはこれらの組み合わせで発表されます。また、記録的な大雨、発達する低気圧、日照不足と長雨、強い冬型の気圧配置、黄砂に関する気象情報や台風情報もあります。
2016年10月〜2017年9月の期間に発表された全般気象情報を分類してみました。
【2月〜5月に多かった気象情報】
雷と突風及び降ひょうに関する全般気象情報
暴風と高波及び雷に関する全般気象情報
暴風と高波及び大雨に関する全般気象情報
雷と突風に関する全般気象情報
【5月に多かった気象情報】
黄砂に関する全般気象情報
【10月〜5月に多かった気象情報】
大雨と雷及び突風に関する全般気象情報
記録的な大雨に関する全般気象情報
雷と突風及び降ひょうに関する全般気象情報
【11月〜2月に多かった気象情報】
大雪に関する全般気象情報
大雪と高波に関する全般気象情報
大雪と暴風雪及び高波に関する全般気象情報
大雪と暴風雪に関する全般気象情報
大雪に関する全般気象情報
強い冬型の気圧配置に関する全般気象情報
暴風雪と高波及び大雪に関する全般気象情報
暴風雪と高波に関する全般気象情報
発達する低気圧に関する全般気象情報
気象情報は情報名と番号、発表日時、発表元、見出し、本文で構成されています。
番号は「第◯号」という形で通常は通番がふられています。しかし気象庁予報部が発表する全般気象情報のみは、なぜか番号が飛び飛びで欠番があります。
見出しには気象現象の概要と注意すべき防災事項が簡略に2〜3文ほどで記載されます。これに続く本文はかなり長文のことがあるので、見出しだけで内容がすぐに分かるように書かれています。
本文はおおむね気象概況、防災事項、補足事項で構成されています。防災事項には予想される雨量や最大風速、波の高さが記載されることもあります。
気象情報が発表されるタイミングは目的に応じて決まっていて、次の4つです。
①警報や注意報に先立つ注意の喚起
現象が発生する24時間程度前に発表されるもので、顕著現象の発生に対する注意を呼びかけるものです。
②現象の経過、予想、防災上の留意点等の解説
警報や注意報がすでに発表されている時に追加で発表されるもので、現象の経過、予想、防災上の留意点等を解説するものです。これには「竜巻注意情報」「土砂災害警戒情報」も含まれることから分かるように、「警報」「注意報」「気象情報」は一体のものとして発表されています。
③記録的な短時間の大雨を観測したときの、より一層の警戒呼びかけ
数年に一度しか起こらないような記録的な短時間の大雨を観測したときに、より一層の警戒を呼びかけるものです。「記録的短時間大雨情報」がこれに該当します。
④社会的に影響の大きな天候についての解説など
社会的に影響の大きな天候について注意を呼びかけたり、解説したりするものです。長雨や少雨、低温などの気象情報が該当します。
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気象情報: http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/
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実技試験では「天気図を見て気象情報を作成しなさい」なんて問題は出されません。が、過去には気象情報が虫食いになっていて、穴埋めをする出題がありました。
気象情報にはパターンがあるので、典型例から気象現象とその災害や重要なキーフレーズを学びましょう。
気象情報には種類があるんです
気象情報は対象となる地域、対象となる現象によって分類されます。また、その目的によって発表されるタイミングが異なります。
以下でそれぞれを見ていきましょう。
分類①: 対象となる地域
気象情報は対象とするエリアに応じて、全国を対象とする「全般気象情報」(気象庁予報部)、地方予報区(全国に11)を対象とする「地方気象情報」(管区気象台や沖縄気象台など)、都道府県を対象とする「府県気象情報」(地方気象台)があります(()内は発表元です)。
「気象情報」という名称はつかないものの、「台風情報」「潮位情報」も気象情報のサイトで発表されています。また、「記録的短時間大雨情報」「竜巻注意情報」「土砂災害警戒情報」も気象情報の一つとされています。
さて、こちらは気象庁の組織図です。
予報部というのは本庁の内部部局です。
出典:人事院資料
管区気象台は地域を統括する地方支分部局として、広域的な地域を管轄しています。東京、札幌、仙台、大阪、福岡の5台ですが、沖縄気象台も管区気象台と同列に並んでいます。
地方気象台は50あります。なぜ47以上あるかというと、例えば北海道には6気象台があります。一方で、東北地方は6県あるのに5気象台しかないというように、1都道府県=1地方気象台となっていないからです。
分類②: 対象となる現象
気象情報が発表される現象には大雨、大雪、暴風、突風、暴風雪、高波、低気圧、雷、降ひょうなどがあり、多くはこれらの組み合わせで発表されます。また、記録的な大雨、発達する低気圧、日照不足と長雨、強い冬型の気圧配置、黄砂に関する気象情報や台風情報もあります。
2016年10月〜2017年9月の期間に発表された全般気象情報を分類してみました。
【2月〜5月に多かった気象情報】
雷と突風及び降ひょうに関する全般気象情報
暴風と高波及び雷に関する全般気象情報
暴風と高波及び大雨に関する全般気象情報
雷と突風に関する全般気象情報
【5月に多かった気象情報】
黄砂に関する全般気象情報
【10月〜5月に多かった気象情報】
大雨と雷及び突風に関する全般気象情報
記録的な大雨に関する全般気象情報
雷と突風及び降ひょうに関する全般気象情報
【11月〜2月に多かった気象情報】
大雪に関する全般気象情報
大雪と高波に関する全般気象情報
大雪と暴風雪及び高波に関する全般気象情報
大雪と暴風雪に関する全般気象情報
大雪に関する全般気象情報
強い冬型の気圧配置に関する全般気象情報
暴風雪と高波及び大雪に関する全般気象情報
暴風雪と高波に関する全般気象情報
発達する低気圧に関する全般気象情報
気象情報はどんな顔つきをしているの?
気象情報は情報名と番号、発表日時、発表元、見出し、本文で構成されています。
番号は「第◯号」という形で通常は通番がふられています。しかし気象庁予報部が発表する全般気象情報のみは、なぜか番号が飛び飛びで欠番があります。
見出しには気象現象の概要と注意すべき防災事項が簡略に2〜3文ほどで記載されます。これに続く本文はかなり長文のことがあるので、見出しだけで内容がすぐに分かるように書かれています。
本文はおおむね気象概況、防災事項、補足事項で構成されています。防災事項には予想される雨量や最大風速、波の高さが記載されることもあります。
どんな時に発表されるの?
気象情報が発表されるタイミングは目的に応じて決まっていて、次の4つです。
①警報や注意報に先立つ注意の喚起
現象が発生する24時間程度前に発表されるもので、顕著現象の発生に対する注意を呼びかけるものです。
②現象の経過、予想、防災上の留意点等の解説
警報や注意報がすでに発表されている時に追加で発表されるもので、現象の経過、予想、防災上の留意点等を解説するものです。これには「竜巻注意情報」「土砂災害警戒情報」も含まれることから分かるように、「警報」「注意報」「気象情報」は一体のものとして発表されています。
③記録的な短時間の大雨を観測したときの、より一層の警戒呼びかけ
数年に一度しか起こらないような記録的な短時間の大雨を観測したときに、より一層の警戒を呼びかけるものです。「記録的短時間大雨情報」がこれに該当します。
④社会的に影響の大きな天候についての解説など
社会的に影響の大きな天候について注意を呼びかけたり、解説したりするものです。長雨や少雨、低温などの気象情報が該当します。
気象情報を見たいと思った方は、今すぐこちらからどうぞ!
気象情報: http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/
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千島近海って? [知識]
実技試験では時折、地名や海域名を問われることがあります。気象庁のホームページに掲載されている地名と海域名は最低限、白地図で特定できるようにしておきたいものです。
全般気象情報などに用いるアジア・北西太平洋域の地名、海域名
全般気象情報などに用いる日本付近の地名、海域名
今回は、第48回試験(2019年度第1回)実技1で問われた「千島近海」を取り上げ、この海域名がどのような文脈で登場するのかを調べたいと思います。
まず、千島近海の場所を確認しておきましょう。気象庁のホームページでは下図のように示されています。
出典:気象庁(原本の破線表示を赤線で表示した)
気象庁「日本および日本の周辺を個別的に表す地名」には「北方四島は千島列島に含めない。」とあります。
しかし上図をみる限り、千島近海は北海道東部から北方四島も含めたカムチャッカ半島南端までの海域を指しているように見えます。
千島近海には、北太平洋やオホーツク海から千島列島に沿って南下し、日本の東まで達する寒流が流れています。これを一般的には「親潮」と言いますが、「千島海流」と呼ぶこともあります。親潮は魚類や海藻類を養う栄養分に富んでいます。
ちなみに、道東では夏の時期、太平洋高気圧からくる暖かく湿った空気が親潮に冷やされて、濃霧が発生します。このような霧を「移流霧」と言うのでしたね。
千島近海の海域名が登場する一つ目の事例は、「台風の墓場」です。台風の墓場とは私が勝手に名付けた名称ですが、台風が温帯低気圧に変わった後の向かう先の一つということです。
2016年の台風5号で見てみましょう。台風5号は8月4日に発生し、10日に温帯低気圧に変わりました。
台風5号の経路図を見ると、10日に千島近海を通過しているのが分かります。(経路の左に書いてある数字が通過日です。)
出典:気象庁
この台風について、次のように報道されています。
台風は千島近海で温帯低気圧になったことが報じられています。温帯化時に984hPaだった低気圧は、その後988hpaに弱まった後、再度984hPaに発達しました。このように、台風は温帯低気圧に変わった後、発達することが多いので注意が必要です。
ではもう一つ、2017年の台風22号(10月)を見てみましょう。
これは10月29日22時32分発表の気象情報「平成29年 台風第22号に関する情報 第79号」に基づいた報道と思われます。
9月、10月に発生する台風は太平洋高気圧の縁辺に沿って北東進するため、千島近海に至るものが多いのですね。
二つ目の事例は、冬の気圧配置として有名な「西高東低型」の低気圧の居場所として登場してきます。
2016年3月1日の事例で見てみます。前日の午後から低気圧が急速に発達し、1日の北海道では暴風が吹き荒れ、最大瞬間風速は襟裳岬で41メートル、札幌は33.8メートルとなりました。
このように急速に発達する低気圧は、一般には爆弾低気圧と呼ばれます。これについて、1日の産経新聞は次のように伝えています。
全国的にも北風が強く、北海道から本州の日本海側は所々で雪の降り方が強まり、青森県の酸ヶ湯では積雪が3メートルを超えました。
気象衛星画像を見ると、日本海側から太平洋にかけて筋状の雲が現れています。
大陸からの離岸距離はある程度空いているので、猛烈な冷え込みではなさそうです。
季節はずれの西高東低型でも雪が降ることがあります。2016年6月2日の徳島新聞は次のように報じています。
気圧配置を見ると、北海道周辺では確かに季節外れの強い西高東低型になっています。
この低気圧は寒冷低気圧で、500hPa面で厳しい寒気が入っていました。
最後に、過去の出題事例で「千島近海」をモノにしておきましょう。
地上気圧・降⽔量・⾵36 時間予想図を見ると、④の答えは「千島近海」となります。
ちなみに、本番試験でビール隊長は「北海道の東海」と回答し、不正解でした。最初は「千島列島」と回答したのですが、見直しをしている時に「④は海域名で答えよ」に気づきました。海域名をたくさん覚えたつもりだったのですが、千島近海は知りませんでした。(^^;
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全般気象情報などに用いるアジア・北西太平洋域の地名、海域名
全般気象情報などに用いる日本付近の地名、海域名
今回は、第48回試験(2019年度第1回)実技1で問われた「千島近海」を取り上げ、この海域名がどのような文脈で登場するのかを調べたいと思います。
千島近海を確認しよう
まず、千島近海の場所を確認しておきましょう。気象庁のホームページでは下図のように示されています。
出典:気象庁(原本の破線表示を赤線で表示した)
気象庁「日本および日本の周辺を個別的に表す地名」には「北方四島は千島列島に含めない。」とあります。
しかし上図をみる限り、千島近海は北海道東部から北方四島も含めたカムチャッカ半島南端までの海域を指しているように見えます。
千島近海には、北太平洋やオホーツク海から千島列島に沿って南下し、日本の東まで達する寒流が流れています。これを一般的には「親潮」と言いますが、「千島海流」と呼ぶこともあります。親潮は魚類や海藻類を養う栄養分に富んでいます。
ちなみに、道東では夏の時期、太平洋高気圧からくる暖かく湿った空気が親潮に冷やされて、濃霧が発生します。このような霧を「移流霧」と言うのでしたね。
①台風の墓場として登場!
千島近海の海域名が登場する一つ目の事例は、「台風の墓場」です。台風の墓場とは私が勝手に名付けた名称ですが、台風が温帯低気圧に変わった後の向かう先の一つということです。
2016年の台風5号で見てみましょう。台風5号は8月4日に発生し、10日に温帯低気圧に変わりました。
台風5号の経路図を見ると、10日に千島近海を通過しているのが分かります。(経路の左に書いてある数字が通過日です。)
出典:気象庁
この台風について、次のように報道されています。
(2016年8月5日配信)
熱帯低気圧は小笠原の南海で台風5号に変わり、発達しながら北寄りに本州方向に接近している。気象庁は、来週以降、日本の東から千島近海に抜けるものとみて、今後の動向を注視している。(以下略)
熱帯低気圧は小笠原の南海で台風5号に変わり、発達しながら北寄りに本州方向に接近している。気象庁は、来週以降、日本の東から千島近海に抜けるものとみて、今後の動向を注視している。(以下略)
(2016年8月10日配信)
台風5号は千島近海で温帯低気圧に変わりました。今日の日本付近は広い範囲で高気圧に覆われますが、湿った空気の影響を受ける所があるでしょう。(以下略)
台風5号は千島近海で温帯低気圧に変わりました。今日の日本付近は広い範囲で高気圧に覆われますが、湿った空気の影響を受ける所があるでしょう。(以下略)
台風は千島近海で温帯低気圧になったことが報じられています。温帯化時に984hPaだった低気圧は、その後988hpaに弱まった後、再度984hPaに発達しました。このように、台風は温帯低気圧に変わった後、発達することが多いので注意が必要です。
ではもう一つ、2017年の台風22号(10月)を見てみましょう。
(2017年10月30日配信)
台風22号は29日午前に九州・四国沖、午後から夜に東海・関東沖を東北東へ進み、30日午前0時に三陸沖で温帯低気圧に変わった。(中略)温帯低気圧は発達しながら北上し、30日朝に千島近海へ進む見込み。気象庁は引き続き暴風や高波、土砂災害に警戒するよう呼びかけた。(以下略)
台風22号は29日午前に九州・四国沖、午後から夜に東海・関東沖を東北東へ進み、30日午前0時に三陸沖で温帯低気圧に変わった。(中略)温帯低気圧は発達しながら北上し、30日朝に千島近海へ進む見込み。気象庁は引き続き暴風や高波、土砂災害に警戒するよう呼びかけた。(以下略)
これは10月29日22時32分発表の気象情報「平成29年 台風第22号に関する情報 第79号」に基づいた報道と思われます。
9月、10月に発生する台風は太平洋高気圧の縁辺に沿って北東進するため、千島近海に至るものが多いのですね。
②冬の気圧配置にも登場!
二つ目の事例は、冬の気圧配置として有名な「西高東低型」の低気圧の居場所として登場してきます。
2016年3月1日の事例で見てみます。前日の午後から低気圧が急速に発達し、1日の北海道では暴風が吹き荒れ、最大瞬間風速は襟裳岬で41メートル、札幌は33.8メートルとなりました。
このように急速に発達する低気圧は、一般には爆弾低気圧と呼ばれます。これについて、1日の産経新聞は次のように伝えています。
発達した低気圧は1日午後、千島近海を東に進み、北海道付近は強い冬型の気圧配置が続いた。暴風雪の峠は越えたが、気象庁は引き続き2日昼前にかけて猛吹雪、吹きだまりや大雪による交通障害、高波、強風、雪崩に警戒を呼び掛けた。(以下略)
全国的にも北風が強く、北海道から本州の日本海側は所々で雪の降り方が強まり、青森県の酸ヶ湯では積雪が3メートルを超えました。
気象衛星画像を見ると、日本海側から太平洋にかけて筋状の雲が現れています。
大陸からの離岸距離はある程度空いているので、猛烈な冷え込みではなさそうです。
梅雨時期の西高東低型でも!?
季節はずれの西高東低型でも雪が降ることがあります。2016年6月2日の徳島新聞は次のように報じています。
(2016年6月2日配信)
低気圧が千島近海に停滞した影響で2日、北海道には北東から冷たい空気が流れ込み、山間部では6月にもかかわらず季節外れの雪が降った。
上川町の大雪山系黒岳(1984メートル)でロープウエーを運行する「りんゆう観光」によると、標高1300メートルの5合目では2日午前6時ごろ、約1センチの積雪が見られた。当時の気温は氷点下2度で、営業担当者は「ゴールデンウイーク以降に雪が降るのは珍しい」と驚いた様子だった。(以下略、一部修正)
低気圧が千島近海に停滞した影響で2日、北海道には北東から冷たい空気が流れ込み、山間部では6月にもかかわらず季節外れの雪が降った。
上川町の大雪山系黒岳(1984メートル)でロープウエーを運行する「りんゆう観光」によると、標高1300メートルの5合目では2日午前6時ごろ、約1センチの積雪が見られた。当時の気温は氷点下2度で、営業担当者は「ゴールデンウイーク以降に雪が降るのは珍しい」と驚いた様子だった。(以下略、一部修正)
気圧配置を見ると、北海道周辺では確かに季節外れの強い西高東低型になっています。
この低気圧は寒冷低気圧で、500hPa面で厳しい寒気が入っていました。
第48回試験の出題
最後に、過去の出題事例で「千島近海」をモノにしておきましょう。
前問で答えた⼆つの低気圧の動きと盛衰について述べた次の⽂章の空欄( ① )〜( ⑤ )に⼊る適切な語句を答えよ。なお,③は16 ⽅位,④は海域名で答えよ。
九州の南岸の低気圧および⽇本海の低気圧は,いずれも12 時間後から24 時間後にかけて中⼼の気圧が( ① )に( ② )する。九州の南岸にあった低気圧は24 時間後から36 時間後にかけて( ③ )に進み,( ④ )に達する。その移動の速さは24 時間後までと⽐較して( ⑤ )なっている。
九州の南岸の低気圧および⽇本海の低気圧は,いずれも12 時間後から24 時間後にかけて中⼼の気圧が( ① )に( ② )する。九州の南岸にあった低気圧は24 時間後から36 時間後にかけて( ③ )に進み,( ④ )に達する。その移動の速さは24 時間後までと⽐較して( ⑤ )なっている。
地上気圧・降⽔量・⾵36 時間予想図を見ると、④の答えは「千島近海」となります。
ちなみに、本番試験でビール隊長は「北海道の東海」と回答し、不正解でした。最初は「千島列島」と回答したのですが、見直しをしている時に「④は海域名で答えよ」に気づきました。海域名をたくさん覚えたつもりだったのですが、千島近海は知りませんでした。(^^;
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